歌とラップを両方やってきた経験が、自分の武器に──学芸大青春・相沢勇仁インタビュー

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公開日:2021/12/5

学芸大青春

今年8月から9月にかけて、全国4都市をめぐるツアー「Hit your City!!」を成功させたダンス&ボーカルグループ「学芸大青春」(ガクゲイダイジュネス)。念願の有観客ライブとなった同ツアーでは、「2次元と3次元を行き来する」というコンセプトどおり、CGキャラクターと生身の姿を行き来し、時には両者を融合させる演出で観客を魅了した。12月1日には2nd Album『PUMP YOU UP!!』のリリースが、2022年3月から5月にかけては4thツアーも控え、彼らの勢いはますます加速しそうだ。

ダ・ヴィンチニュースでは、そんな学芸大青春の魅力を深掘りするインタビュー特集を企画。第4弾に登場してくれるのは、相沢勇仁さん。アルバム唯一のソロ曲を歌っているほか、低音を生かしたラップでも存在感を示す彼に、ソロ曲の聴きどころ、今メンバーやファンに対して抱く思いについて語ってもらった。

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相沢勇仁

自分としては歌が一番好き。そこはもっともっと磨いていきたい

──3rdツアーや2ndアルバムで、勇仁君のラップの進化を感じました。ご自身としては、成長を感じていますか?

勇仁:ありがとうございます。デビュー当初からボーカル&ラップ担当ということで、ラップのレッスンを受けていて。基本的には歌を中心にやっていますけど、今回のアルバムは自分がメインでラップをやる楽曲が増えたんですよね。自分にとっても挑戦でしたし、“Hit the City!!”とか“HOLD US DOWN”で長いソロのパートをいただけたのがすごくうれしくて。だからこそ、自分も納得がいくし、聴いている人にもいいな、と思ってもらえるようなラップにしたいという気持ちがありました。

 レッスンは今までどおり取り組んでいますけど、「もっとヒップホップをたくさん聴いてみよう」「自分のラップの個性って何だろう」って考えることもいろいろ増えて。自分は低音のラップが特徴なのかなと思っていたので、そこに磨きをかけたいなと思って自主練もしてきました。 1年目に比べて、パートをいただけたこともあって、ラップとの向き合い方は変わったと思います。

──学芸大青春では優輝君もラップ担当です。それぞれの個性の出し方の違いは意識していますか?

勇仁:お互い無意識に考えていると思います。初期の頃は“WHO WE ARE !”みたいにみんながラップする曲もあったので、全員でレッスンを受けていたんですよ。それからより特化するために、途中から優輝とふたりでレッスンを受けてきたんですけど、だからこそ何もしゃべらなくても、お互いの個性を理解できる感じです。僕で言うと、低音とかクールめのラップをすることが多くて。キレのいいラップというより、低めの声で流れるようなフロウでラップすることが多いんですよね。優輝もそれを「勇仁のラップはこう」って無意識に思ってくれてるんじゃないかなって。

 逆に僕は、優輝のラップは子音がしっかりしてて、言葉をちゃんと伝えるのがうまいし、感情を乗せるのも上手だなと思っていて。優輝とレッスンを受けることで、相乗効果というか、お互いが自分にないスタイルを自然と吸収できてるんじゃないかと思いますね。ふたりでレッスンを受けた期間は、お互いに高められた感覚はあります。そういうのが2ndアルバムでも表れていたらうれしいです。

──何も言わなくても、お互いに持ち味を生かし合っているんですね。

勇仁:そうですね。「そっちがそういう感じでいくなら、自分はこういう感じでいこうかな」みたいな。

──優輝君がちらっと「フリースタイルにも挑戦したい」と話していましたけど、勇仁君はいかがですか?

勇仁:やってはみたいですけど、難しいですね(笑)。優輝もまだ練習を始めたばかりですし。優輝が前にラジオでも言ってましたけど、いつかメンバーとやれたら面白そうだな、とは思います。

──今回のアルバムはデュオ曲が複数収録されていますが、勇仁君はデュオだけでなくアルバム唯一のソロ曲も担当していますよね。どういった経緯があったのでしょう。

勇仁:誰がどの楽曲を歌うか、どの組み合わせで歌うかは、基本的にプロデューサーの杉沢さんが提案してくれるんです。デモ音源を聴いて「この曲はこの人が合いそう」って考えてくださっているんだと思うんですけど、ソロ曲の“Present Day”は、レコーディングの時にも杉沢さんから「この曲、勇仁っぽいよね」「似合うよ」と言っていただけて。多分、作詞作曲を手掛けたO-liveさんから届いたデモを聴いて、僕に合いそうだと思ってくださったのかなって。

 もともと杉沢さんとは、「自分はもともと歌が好きで、これからも歌でやっていきたい」という話はしていて。「確かに出会った時に比べると成長が感じられるし、この先も頑張ってほしい」と言っていただけたのがうれしかったです。自分としては、スキルはまだまだだし、これからどんどん上を目指してやっていかなきゃと思っているんですけど、それでも練習してきたこと、やってきたことを評価してくださる方がいるのはうれしかったですね。なので、ソロ曲をやらせていただけるとなった時も、すごく光栄でした。だからこそ、歌でしっかり期待に応えたいなって思いました。

──アルバム唯一のソロ曲ということで、プレッシャーを感じませんでしたか?

勇仁:プレッシャーというより、責任を感じました。自分はメンタルもそこまで弱くないし、緊張もしにくいタイプだし、もともと歌が好きでソロを歌えてうれしかったんですけど、それでもほかのメンバーからすると「いいな」って思われたりもするだろうなって。それが普通だと思いますしね。その分、自分がいいと思えるもの、杉沢さんやメンバー、聴いた人がいいと思ってくださるものをちゃんと作りたい、という思いは強くなりました。

──最初に“Present Day”を聴いた時の感想は?

勇仁:衝撃を受けました。「これをひとりで歌うんだ」って。出だしがベースの音で始まって、まずそこでびっくりして。これまであまりなかったファンクな感じの楽曲だし、「いきなりベースで来るか」って。で、曲が進んでいくと、バックの音が急に減ったり、サビのアタマはベースの音だけど途中からビートが入ってきたり、歌詞が英語のパートもあったりして。全体の世界観がオシャレでカッコよくて、歌うのが楽しみだなって思いました。

──楽曲で印象に残っている歌詞やフレーズは?

勇仁:印象に残っているのは、サビの「時空を超えて逢いにいくよ タイムマシンも作れるかも」ってフレーズです。普段、僕らは2次元と3次元を行き来して活動しているので、自分たちに重なる印象を受けたし、言葉がスッと入ってきました。ほかにも「2次元」「3次元」という言葉が入っているのも、自分たちらしい世界観だなと思って。曲調としては今まで5人で歌ってきたのとは違うジャンルでしたけど、歌詞については“Happy Ever After”みたいに自分たちのコンセプトに沿っていて。やっぱりサビは特に印象的でしたね。

 だからこそ、「学芸大青春の相沢勇仁」が歌えるような曲になってるんじゃないかなって。次元を行き来して活動しているからこそ、こういう歌詞が歌えるし、O-liveさんもこういう曲を提供してくれたんだなと思います。

──ボーカルもラップも進化していますし、ステージ上でのパフォーマンスにも磨きがかかっています。勇仁君ご本人が考える自分の武器は、何だと思いますか?

勇仁:自分で言うのは難しいですね。自分が頑張ったことよりも、見てくれる人の判断を大切にしたいので。周りの方の判断に委ねたいです。と言いつつも、自分としては歌が一番好きで、そこはもっともっと磨いていきたいです。

 そのうえで自分の武器を挙げるとするなら、歌もラップもやれることかもしれないです。今までは歌メインの曲もあれば、ラップメインの曲もあるし、両方やる曲もあるんですけど、今後もっともっと自分のスキルがついてきたら、それこそ1曲の中で歌を歌って、次のパートでは自分でそのままラップして、かと思ったらまた歌に戻って、みたいな構成の曲もできるんじゃないかと思うので。歌とラップを両方やってきた経験が、自分の強みだし武器なんじゃないかなと思います。

──ライブでは3次元の姿でステージに立つ時間が増えていると思いますが、それに伴ってパフォーマンスの変化、意識の変化はありますか?

勇仁:2次元だと、良くも悪くもダンスや表情の細かいところまではどうしても出し切れなくて。3次元は観ているお客さんに自分のすべてをさらけ出すので、ダンスや歌の見え方、その時々の表情をより細かいところまで丁寧に意識して練習する必要があるなと思いますね。よりごまかしが効かないっていうか。3rdツアーでも課題を感じましたね。

──表情やポージングも含めて研究しているんですか?

勇仁:自分の場合、表情は特に研究はしていなくて。曲に合わせて変えたり、その時の自分の感情に任せたり、どう見せたいかに合わせた表情にしています。ポーズは、ダンスの練習で培っているところもあるのかなって。自分はそこまでダンスが得意じゃないですけど、ダンスのレッスンでポージングの練習もあるので、そういうところ培ったものがパフォーマンスに反映されてるのかなって思ったりもします。「ここはこういう見せ方がいいかな」って自分なりにいろいろ考えながらやってますね。

相沢勇仁

1回ファンに会えると、次に会えるまで頑張れる。会えない期間もみんなのことを思い出せる

──学芸大青春として活動を始めて2年以上経ちますけど、メンバーに対する思いに変化はありますか?

勇仁:仕事でもプライベートでもほとんど毎日一緒にいるので、変化に気づくのが逆に難しいですね。でも、やっぱり節目節目で「なんだかんだ言って、いつも僕は支えられてるな」って思います。毎日それを実感できるわけじゃなくて、ずっと一緒にいることでメンバーの優しさが当たり前になって、慣れてきちゃう部分もあるんですけど。

 あらためて考えてみると、みんな優しいんですよ。自分はけっこう子どもなところがあるし、しっかりしてないし、もっと大人にならなきゃと思うことが多いんですけど(笑)、みんなはしっかりしているし、サポートしてくれるので。みんなが支えてくれたからこそ、ここまで来られたし、今の自分があるんだなって。こういう機会に、思い返すことは多いですね。

──最近、メンバーに感謝したことは?

勇仁:仕事の時に、たまに大事な話を忘れたり、ぼーっとしてて聞き逃したりすることがあるんですけど(笑)。そういう時、大体みんながちゃんと聞いていて、あとから教えてくれるので助かる、みたいな。全員が自分みたいなやつだったら、もうこのグループ終わっちゃうんで(笑)。みんな、本当にすごいなと思います。全体的に、みんな自分よりしっかりしてるんですよね。

──優輝君なんて、すごくしっかりしていそうですよね。

勇仁:優輝もそうだし、蓮も将綺もすごいしっかりしてると思いますね。蓮って無口だし、自分から誰かに対して積極的に何かしてあげる感じではないと思うんですけど、困った時や助けを求めた時はちゃんと手助けしてくれる。頼りになるんですよ。将綺もそうですね。しっかりしてるので困った時に頼れるな、と。陽介はああいう感じなので、ちょっと抜けてる部分はあるけど(笑)、意外と家のことをちゃんとやるタイプ。自分よりも年上なんだなって感じることがありますね。優輝はもちろんしっかりしているんですけど、優しいんですよね。「これ、やってほしいなー」ということや困ったことがあると、なんだかんだやってくれるし、力になろうとしてくれる。みんなそれぞれ違った優しさを持ってると思いますね。自分はやっぱりダメなんで(笑)。

──お話を聞いていると、末っ子感がありますね。

勇仁:そうなんですかね。子どもなんですよね、やっぱり(笑)。

──ファンへの思いに変化はありますか? あらためて思うことがあれば聞かせてください。

勇仁:やっぱりライブで直接会えたのが、自分にとってはすごく大きくて。みんなの表情、自分たちのパフォーマンスを観て楽しそうに喜んでくれてる姿が見られたのは、本当によかったです。MC中、自分たちが話してるのをニコニコしながら聞いてくれていることも、すごく幸せで。僕らがしゃべってることなんて、本当にしょうもないことなのにって思うけど(笑)。そういう自分たちの発言も、楽しそうに笑って聞いてくれる姿を見て、「こういう笑顔を見たくて、今まで頑張ってきたんだな」と思えたし、ここまで来られて良かったとも思いました。

 だからこそ、早くまたみんなに会いたいし、その笑顔を見たいんですよね。やっぱり1回会えると、次に会えるまで頑張れるというか、活動の糧にもなって。会えてない期間もファンをイメージできるというか、みんなのことを思い出せるんですよ。「みんなのために頑張ろう。また喜んでもらうために、もっとうまくなりたい」と思うようになりましたね。直接ファンのみんなに会えたのは、自分の中で本当に大きかったです。

──もともと勇仁君は、ファンへの思いが強いタイプですよね。過去にも「ライブに来たら絶対に幸せにしてあげる」と発言していましたし、ちゃんと思いを言葉にしてくれる方なんだなと思っていました。

勇仁:周りのメンバーと比べてどうかはわからないですけど、そう思ってくださる方がいるとしたら、自分としてはすごくうれしいです。ファンを大切にしていきたい思いはもちろんずっとありますし、節目節目で言葉にもしてきたので。ファンのみんなにも、そういう言葉が届いていたらうれしいです。

──来年にはツアーも控えています。勇仁君はソロ、デュオ、そして5人でのパフォーマンスを披露することになるのではないかと思いますが、どういう姿を見せたいですか?

勇仁:まずは、歌もダンスもラップも前回のツアーに比べてすべてレベルアップしている姿を見せたいです。特に自分は歌に力を入れているので、そういった面でこれまでとは違うパフォーマンス、新しい自分、少しでも成長できた部分を見せられたらいいなと思います。あと、前回のツアーを通して、ちょっとはファンサを覚えたので(笑)。初日はあまりできなかったなって反省していて。何をどこまでやったらいいのかわからなくて、でも周りのメンバーを見たら意外とやっているみたいなので、自分ももっとやりたいなと思ったんです。

 前回のツアーでそういう下地ができたので、次のツアーは最初の公演からできると思って。パフォーマンスはもちろんですけど、ファンとのコミュニケーションもより楽しんでいきたいですね。いろんな楽しみ方をしていきたいと思ってます。

──次に登場するのは将綺君なんですけど、なにかメッセージをいただけますか?

勇仁:自分は真面目な感じで行きますね。2ndアルバムのタイトルは「PUMP YOU UP!!」です。将綺は筋肉キャラでやってるので、「ちゃんとお前もパンプアップしとけよ」って言っておいてください。

取材・文=野本由起  写真=中野敬久
ヘアメイク=yuto

学芸大青春4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」開催
2022年3月から5月にかけて、全国7都市で4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」が開催。

2022年3月19日(土) 宮城県・Sendai Rensa
2022年3月26日(土) 広島県・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2022年4月9日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2022年4月24日(日) 福岡県・Zepp Fukuoka
2022年5月8日(日) 大阪府・Zepp Osaka Bayside
2022年5月15日(日) 愛知県・Zepp Nagoya
2022年5月27日(金) 東京都・Zepp Haneda

詳細は、学芸大青春 公式ホームページまで。

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※各形態の初回仕様に4thツアー最速先行抽選販売などに申し込み可能なシリアルコードを封入