【カクヨムコン3冠作家デビュー作】胸キュン必至! 激動の運命に翻弄される少女の波乱万丈・王道シンデレラロマンス
公開日:2021/12/28
愛は居場所をくれる。自分がこの世界に存在することの意味をくれる。今注目のキャラクター文芸作品『黒狼王と白銀の贄姫 辺境の地で最愛を得る』(高岡未来/メディアワークス文庫/KADOKAWA)は、不遇な生活を送ってきた少女が愛する人との居場所を見つけるシンデレラロマンスだ。著者の高岡未来氏は、本作で第6回「カクヨムWeb小説コンテスト」恋愛部門《特別賞》を、『わたしの処女をもらってもらったその後。』で恋愛部門《特別賞》と《ComicWalker漫画賞》を受賞した人物。デビュー作であるこの作品は、「最近ときめきが足りてないな」という人にもってこい。ハラハラドキドキが止まらない至高の胸キュンノベルなのだ。なのだ。
主人公は、西の国ゼルス国の王女・エデル。妾腹である彼女は、幼い頃に母親と生き別れて以来、王妃らに虐げられながら暮らしてきた。ある時、戦に負けた代償にエデルは義姉の身代わりとして戦勝国・東の国オストロムへ嫁ぐことに。相手は「黒狼王」と渾名され、恐れられる王・オルティウス。野獣のような体で闘うことしか能がないと噂される男だ。しかし、婚礼の日にエデルが対面したのは、青い瞳に理知的な光を宿す黒髪長身の美しい青年。博識高く、誠実なオルティウスは、西側の人間たちが主張するような「蛮族の王」ではなかった。
物語の冒頭の婚礼シーンを描き出した美しいカバーイラストは、人気絵師・vient氏によるもの。婚礼衣装の繊細な模様や教会の天井から差し込む神々しい光、エデルの複雑な表情…。見ているだけでうっとりとさせられてしまうイラストだ。そして、この物語も同様、そのあまりの美しさに、ハッとさせられるような愛を描いた物語なのだ。オルティウスにとって、この政略結婚は、国力を見せつけることだけが狙いのはずだった。だが、心優しく素直なエデルに彼はどんどん惹きつけられていく。そして、それはエデルにとっても同じだった。少しずつお互いのことを知り、心を通わせていく姿はなんともロマンチック。
「俺にはおまえが必要だ」
真っ直ぐに愛情を表現するオルティウスと、それに照れながらもこたえていくエデルに、ニヤニヤが止まらない。不遇な生活の中で震えていた少女は、辺境の地に本当の居場所を見つけたのだ。
しかし、結婚してからの2人は激動の日々を送ることになる。彼らの邂逅は王国の存続を揺るがす事態に発展していくのだ。たとえば、今までエデルを虐げてきた王妃は、エデルの元に侍女を派遣し、彼女の暗殺を試みようとする。さらには王家の家族問題、そして、クーデターも重なり、エデルは幾度となく命の危機にさらされることに。波瀾万丈な展開に、続きが気になってたまらない。オルティウスは無事エデルを守り抜くことができるのだろうか。一体どんな運命が2人を待ち受けているのだろうか。
「ああ、私もこんな運命的な恋をしてみたい。大切な人からこんな風に溺愛されてみたい」…。ついついそんな願望が湧き上がってしまうのは私だけではないはず。あなたもこの本でときめきを確保してみてはどうだろう。…あれ、なんだか恋がしたくなってきたかも? 愛すること・愛されることの幸せを感じられる1冊。
文=アサトーミナミ
黒狼王と白銀の贄姫 辺境の地で最愛を得る
https://mwbunko.com/product/322109000393.html