排卵後から生理前は1日5食がおすすめ!? 生理周期に合わせてやせる「フェムテックダイエット」とは?
公開日:2022/2/1
新年にたっぷり甘やかした豊満ボディに後悔…。これからの時期は、そんな気持ちからダイエットに取り組む人も多いだろう。
だが、女性の場合は、生理周期によってダイエットが思うようにいかないこともある。生理前にドカ食いをしてしまったり体がだるくて運動できなかったりと、予期せぬ悩みにダイエットを妨害され、心が折れてしまうことも少なくない。
そうした思いをしてきた人の強い味方になってくれるのが、『生理周期に合わせてやせる! 超効率的フェムテックダイエット』(高尾美穂/池田書店)。
著者は、産婦人科専門医で医学博士。女性のための統合ヘルスクリニック・イーク表参道の副院長を務め、婦人科スポーツドクター、ヨガの指導者としても活躍中の高尾美穂先生。
本書では生理周期に合わせてダイエット方法を変えていくという、超効率的な「フェムテックダイエット」を紹介。ダイエットスケジュールの組み方や実際のトレーニング法がまるっと学べる実用書だ。
生理周期を味方につける「フェムテックダイエット」とは?
高尾先生によると、生理周期はエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンによって形成されており、女性の体質は1カ月の中で大きく「生理中」「生理後~排卵まで」「排卵後~生理前まで」の3つの時期に分けられるのだそう。
各時期では、体重の落ちやすさに違いがある。著者によれば、エストロゲンの分泌量が増える生理後は体重が落ちやすく、プロゲステロンの分泌量が多くなる生理前は体重が増えやすいのだとか。
「フェムテックダイエット」は、こうした体の変化を正しく理解し、各時期に効果的な運動メニューや食事メニューを取り入れつつ、生理周期を味方につけて健康的に美しくやせるためのダイエット法だ。
フェムテックは「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた新語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーの力で解決するという意味が込められている。
「フェムテックダイエット」は、いつから始めてもOK。だが、目に見えて体重が減らないとモチベーションが上がらないという人は、体が軽く、もっともやせやすい生理後~排卵までの間に行うのがおすすめなのだそう。
「フェムテックダイエット」は食事を減らすのではなく、生理周期に合わせて体に必要な栄養素を選んでプラスし、本来の力を最大限に引き出して健康的にやせることがルール。そのため、厳しい食事制限のあるダイエットに心が折れてしまった経験がある方でも取り組みやすい。
例えば、「生理後~排卵まで」はエストロゲンが豊富で筋トレにぴったりな時期なので、食事は高タンパク、低脂質を心がけ、運動メニューは筋トレを中心にするのがよいよう。筋トレの効果を最大限に引き出せるよう、卵や鶏むね、牛もも肉といった食材を摂取していこう。
著者によれば、この期間に筋肉量を増やしておくと基礎代謝が上がり、脂肪を燃やしやすく、やせやすい体になるのだそう。生理前の体重の停滞やリバウンドを防ぐこともできるそうだ。
対して、「排卵後~生理前」はプロゲステロンの作用により、インスリンの効きが悪くなり、体が血糖値を下げようと、いつもより多くインスリンを分泌するため、食欲が増加しがちなので、著者は総カロリー量を変えずに1日3食から5食へ食事回数を増やすことを推奨。
血糖値が下がり切る前に食事をすることで、血糖値のアップダウンを緩やかにし、空腹になりにくくなるように工夫していこうと語っている。
なお、この時期は高温期で体温が普段よりも高くなり、基礎代謝も高まるため、ウォーキングやなわとびなどの有酸素運動を行うと、脂肪燃焼に効果的なのだとか。
本書では、女性ホルモンをサポートする食材や鍛えるとガタイがよく見えやすい「デブ筋」や、鍛えることで美しく引き締まって見える「ヤセ筋」、ピルに関する知識などもイラストを交えて詳しく解説。難しい専門書が苦手な人も手に取りやすい。
生理周期があるからこそ、できるダイエットだってある。そう知ると、今より明るい気持ちで憧れの自分を目指せそうだ。
文=古川諭香