皆さん年末年始はどの様に過ごされますでしょうか？
　実家に帰られるという方、旅行に行くという方、特に何もしないという方、様々な過ごし方があると思いますが、僕はほぼ毎年、高校の演劇部で一緒だった友人達と過ごすことにしています。

　何故家族ではなく友人と過ごすのかというと、これといった理由も実はなくて。強いて言うのなら、卒業してから忙しくて顔を合わすことが出来なくても、何故か年末年始だけは誰かの提案により皆で集まって年明けを迎える。そんなことを毎年毎年繰り返していたらいつの間にかそれが仲間内での決まりごとのようなものになっていったのが理由なのでしょうか……。ということで、感染対策をしっかりしつつ、今年も例年通りその友人達と過ごすことにしました。

　大晦日の夜。年明けに控えたLIVEの振り付けや歌詞の確認作業を終えて、足早に通い慣れた友人宅へと向かうと、他の皆は既にご飯を作ったりゲームをしたりしていたらしく、一山超えた感のある、どこか落ち着いた雰囲気の会になっていました。

　どうやら、その時は新しく買ったボードゲームをしていたらしく、まったりとした空気の中粛々とゲームをプレイしています。お互い気心の知れた仲なので、気を使うこともなく適当に挨拶を済ましてから、そのままソファに寝ころびスマホをいじっていると、どうやらプレイが一段落したようなので、そのまま自分もゲームに混ぜてもらうことにします。

　プレイ中の作品は世界中で人気のマーベル作品を題材にしたもの。マーベルらしく、ヴィラン役を一人決めて後のメンバーで協力して倒すことが目的のボードゲームです。各々が好きなヒーローを選び、それぞれの個性を活かして戦っていきます。
　僕が残っていたヒーローから選んだのはキャプテンアメリカ。原作では司令塔の役割を担う彼らしく、他のヒーローを強化することに特化した、前線に出るというより、サポートが主な役割のキャラです(本当はスパイダーマンが好きなのですが、彼が登場するのは拡張版で、日本では未発売でした)

　頭は使うものの皆で協力してヴィランを倒すという目的がハッキリしたゲームなので、騙しあいや虚実織り交ぜる心理戦があまり得意でない僕でも中々に楽しむことが出来ました。しかし、ルールを皆完璧に理解しないまま進めていたらしく、ヒーロー側が圧倒的に不利な所謂縛りプレイ状態……。
　そのことに誰も気づかず一向にヒーロー側が勝つことが無いまま遊び続けていると、気付けばあと数時間後には年明けという時間になってしまいました。

　いつもはそのまま特別に何をするわけでもなく、テレビを眺めたり、年越しそばを食べたりして、年明けを迎えるのですが友人の一人が
「今年はカウントダウン花火が観たい」と言い出しました。

②へ続きます。