明日から使える資料作りのコツ! 意外と知らないプレゼン資料作りの3つのポイント
公開日:2022/2/6
仕事や就職活動、大学入試など、人生で一度は直面するのが「プレゼンテーション」。人生のここぞという場面で最高のプレゼンテーションを行うには、やはり「資料(スライド)作り」が大切です。
本稿では、『ゼロから1カ月で受かる 大学入試 プレゼンテーション・グループディスカッションのルールブック』(KADOKAWA)を上梓したスタディサプリ・カンザキジュク代表の神崎史彦先生に「明日から使える資料作りのコツ」について聞いてみました。
※本稿は神崎史彦著の書籍『 ゼロから1カ月で受かる 大学入試 プレゼンテーション・グループディスカッションのルールブック』から一部抜粋・編集しました。
資料の表現方法の基本 ①構成
資料作りでは、各パートの内容の分量のバランスにも気を配る必要があります。あるパートではボリュームが多いのに、別のパートは内容が薄い、ということがないように、全体のバランスをとりましょう。シンプルにすることも大切です。1枚のスライドに伝える内容を盛り込みすぎず、例えば、1枚のスライドにつき1トピックにするなど、工夫するとわかりやすくなりますね。
資料の表現方法の基本 ②フォント
わかりやすい資料は、ポイントが目立ちやすく、統一感があるものです。そのためにはフォントを工夫してみるといいでしょう。読みやすいフォントを選ぶとき、一般的にゴシック体がよいと言われています。
Windows10以降では、ユニバーサルデザインフォントが標準装備されています。ユニバーサルデザインフォントとは、読みやすさや見やすさを追求した書体のことです。読んでいても疲れにくく、誤読しにくい特性を持ちます。
フォントの名前には「P」が付くものと付かないものがあります。「P」はProportionalの頭文字で、文字の幅や字の間が調整されたフォントのことを指します。一方、MSゴシックなど「P」がないフォントは等幅フォントといい、どの文字も同じ幅で表示されます。
資料の表現方法の基本 ③色
色の三属性(色相・明度・彩度)をおさえて資料作りの参考にしましょう。
色相(Hue):「赤」「黄」「青」「緑」といった色の違い
彩度(Saturation):色の鮮やかさの度合い
※彩度が高いほど鮮やかで目を惹きつける効果があり、低いほど落ち着いた色味になります。
明度(Brightness):色の明るさの度合い
※明度が高いほど明るく、白に近づきます。低いほど暗く、黒に近づきます。
色の組み合わせは「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」「テキストカラー」をおさえておきましょう。
ベースカラー
最も大きな面積を占める色のこと。スライドだと、背景に当たる色になります。基本は白を用いることが多いと思います。
メインカラー
資料のデザインの中心になる色。見出しや主張したい内容など、資料の要所に用います。
アクセントカラー
読み手に注目してもらいたいところ、注意書きに使用する色。主に赤系の色や、メインカラーの補色を用いるとよいでしょう。なお、補色とは色相環(色相を環状に表現したもの)の反対側の色を指します。色相環をもとに説明すると、メインカラーを11番に設定した場合、その補色は1番となります。
テキストカラー
文字の色。ベースカラーが白であれば、おおよそ黒もしくはグレーを選択することになるかと思います。
視覚バリアフリーにも配慮しましょう。人のものの見え方はさまざまで、日本人の9割以上がC型色覚を持ち、ごく稀にそれ以外の色覚(P型、D型、 T 型など)を持っています。C型以外の色覚の人は赤と緑が見えづらいので青やオレンジを用いる、色数を増やさない配慮をする、下線を引いて強調する、発色やコントラストの強い色を用いないようにするなど、工夫が必要です。
早速、明日からの資料作りにも活かしてみましょう!
文=神崎史彦
【著者プロフィール】
神崎史彦
スタディサプリ講師。カンザキジュク代表。
大学受験予備校で講義を担当する一方、多面的評価の指導を通して難関大学の合格者を多数輩出する「AO・推薦入試対策ゼミ カンザキジュク」の代表を務める。加えて、中学校・高等学校・大学での講義・講演活動の傍ら、書籍執筆や教材開発を通してロジカルライティングや探究型キャリアデザインの必要性を広める活動を行う。
(※)神崎史彦さんの「崎」は「たつさき」が正式表記です