スフィンクスの顔は差し替えられていた? 『地球の歩き方』と『ムー』がコラボ! あるかもしれない“不思議”を巡る「異世界の歩き方」
更新日:2022/2/12
テレビや雑誌、ネットニュースで時折見かける「謎の飛行物体を見た」「一晩にしてミステリーサークルが現れた」などの人知を超えた現象の目撃情報。その正体が人為的なものであったとはっきり明かされることもあるが、謎に包まれたまま忘れ去られていくことも多い。こうした現象を目の当たりにした時、多くの人は「どうせ合成でしょ」「誰かの悪戯に決まっている」とその不思議をなかったことにする。
しかし、それが合成や悪戯である証拠がない限り、本物の不思議である可能性は捨てきれない。実際、地球上にはまだ解明されていない現象が多数存在している。
そうした世界中の不思議を放置せず、どこまでも追い続ける雑誌『ムー』(ワン・パブリッシング)。この唯一無二の雑誌として強固なファンを獲得し続ける本雑誌が、なんと旅行ガイドブックとして定評を得ている『地球の歩き方』(学研プラス)とコラボした。その名も『地球の歩き方 ムー -異世界(パラレルワールド)の歩き方- 超古代文明 オーパーツ 聖地 UFO UMA』(地球の歩き方編集室/学研プラス)。
『ムー』と『地球の歩き方』は、ともに1979年創刊のロングセラーブランド。どちらもさらっと読むものというよりは、対象をとことん深掘りしていくタイプの本だ。この2ブランドの掛け合わせでしかも「異世界の歩き方」ということで、いったいどんな内容が書かれているのかと発売前から多くの注目を集めている。2ブランドどちらかの視点に偏るのではなく、両方から各スポットの神秘にせまる「パラレルワールド(同時並行世界)の歩き方」という作りも興味深い。どちらを信じるかは読者次第、というわけだ。
まず、最初の特集「地球の歩き方 VS ムー 編集長対談」からして濃い。ムー編集長の「ムー的にはギザの3大ピラミッドを造ったのは、いわゆるエジプト人じゃないですからね」から始まるこの対談では、「歴史は後の権力者が都合よく書いている」「スフィンクスの顔は差し替えられた説がある」など、驚く発言の連続だ。
ピラミッドやスフィンクスといえば、聞いたことのない人はいないのではという有名な建造物。それだけ広く認知され、長きに渡って研究されてきたにも関わらず、未だ解明しきれず疑う余地が残っている事実に驚く。人も文明も、当時よりずっと進化しているはずなのに、なんと建築方法すら明確には分かっていないらしい。
このほか、今では存在が否定されている「ムー」や「アトランティス」大陸にあったとされる超古代文明、地上からは全体像が把握できない「ナスカの地上絵」、天文学的な意図をもって築かれている「ストーンヘンジ」のすごさ、時代にそぐわない、学術的には説明不可能な「オーパーツ」、未確認生物「UMA」の目撃情報など、世界に溢れる謎の数々にただただ引き込まれる。
また、「地球の歩き方」シリーズらしく、具体的な位置やサイズ感、内部の造り、現地に行った際に役立ちそうな近辺の情報などもしっかり紹介されている。スフィンクスの目線の先にKFCとピザハットがあるという事実には驚いた。こうした情報があると行くハードルが下がって有難い。
さらに、実際に現地へ行きたい人に向けた「旅で使えるエスペラント会話」や「服装と持ち物」のチェックリストも。エスペラント語とは、「多様な人々がそれぞれの言語を話す環境に育った眼科医ザメンホフが、文化や宗教にとらわれずにお互いに理解ができる言語」らしい。こんな便利な言語があったのか……! チェックリストは「基本荷物」と「冒険用荷物」に分けて書かれており、現地調達の難易度も示してある。
そのほか本書には、人気テレビ番組『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターを30年以上続けている竹内海南江さんへのインタビューも。
竹内さんは、「30年間でいちばん印象的なオーパーツ」としてコスタリカ共和国にある「コスタリカの石球」を挙げている。高い技術力が必要とされる完全な球体がいくつも転がっているのに、誰が何のために作ったものなのかまったく明らかになっていないという。
科学的根拠に基づいた「正解」を追い求めるのもいいが、時には現代の科学では説明のつかない不思議に思いを馳せ、想像を膨らませるのも楽しいもの。今、オミクロン株で再びコロナの感染が拡大し、気軽に外出できない日々が続いている。そんな今こそ、この「地球の歩き方 ムー」で情報を集め、想像力を磨き、あるかもしれないパラレルワールドに旅立ってみては?
文=月乃雫