さりげない言葉ほど力があり、そして愛が込められている『天使なんかじゃない』/斉藤朱夏のしゅか漫画②
公開日:2022/2/19
読んでいないなら人生損。
矢沢あい先生の作品は全人類が読むべき作品です。
少女漫画を読み続けてきてこの作品と出会ったのは
最近っちゃ最近のお話。
読み終わった後に何で読んでなかったんだろう
早くこの作品に出会いたかった、と後悔したぐらい、心を奪われた。
それが『天使なんかじゃない』。
「一目惚れ」、そこから始まる恋物語。
主人公・冴島翠に感情移入しすぎると大変なことになる。
何度読み返しても、涙が止まらない名作だ。
「恋」とは「愛」とはと考えさせられる。
こんなに苦しいのなら恋愛なんてしなければいいのに……。
なんて、思ったりするが心は嘘をつけないのだ。
翠はなんて強くて弱い人間なんだろうと、
心の底から読んでいて思った。
今にも壊れそうな彼女の姿に何度涙したか。
一緒にいることは好きだけではいけないんだなって。
翠のほかにも仲間たちの恋愛も描かれている。
どれも、愛の形は違くて。どれも、嘘のない愛がある。
登場人物はみな高校生。
だからこそ意地になってしまったり、
まだまだ子供だなっと思ったりしている。
素直になれなくて、それもどこか切なさを感じさせる。
気持ちを伝えるのって難しいよね。
もし届かなかったら辛いよね。
けど伝えないで後悔するより、
伝えて後悔した方が何倍もいいんだ。
そんなことにも気付かされた。
もしかしたら明日になったらいつもの日常が来ないかもしれない。
だったら今日という日に言葉を届けた方がいいんだって。
今日という日が大切なことにも気付いた。
『天使なんかじゃない』もそうだが、
矢沢先生の作品には素敵な言葉が散りばめられている。
どの言葉も人の心にスッと入ってくる。
その言葉を聞いたときにきっと共感するのだろう。
その中でもお気に入りのセリフがたくさんあって
一番は選べないけど
「優しさも痛みも分け合えるそんな二人になりたかった」
この言葉に胸を締め付けられた。
「分け合える」という言葉が自分の中でこんなに
心にひっかかるとは。
「分ける」ということは「君がいる」そんな風に変換できる。
やっぱりさりげない言葉ほど力を持っているんだなっと私はすごく思いました。
いつも私たちが使っている言葉には愛がたくさん含まれているんだ。
これからも愛を持って言葉を届けようと改めて思った。
私にとって、忘れていた大切なことを教えてくれる教科書だ。
いやきっと全人類にとって矢沢先生の作品は、
教科書になるほど大切なことが描かれている。