文章も見た目が9割! ビジネスに使える、伝わる文章のちょっとしたひと工夫

ビジネス

公開日:2022/3/17

最強の文章術
『ちょっとしたことで差がつく 最後まで読みたくなる 最強の文章術』(尾藤克之/ソシム)

 リモートワークが広まり、コミュニケーションの形が対話からテキストベースに置き換わった今、文章力はビジネスの成功を左右する重要なスキルになっている。だからこそ、自分の文章能力の低さを痛感し、もどかしい思いをしている人もいるのではないだろうか。

 そんな方の救世主となってくれるのが、『ちょっとしたことで差がつく 最後まで読みたくなる 最強の文章術』(尾藤克之/ソシム)だ。

 本書では、Yahoo!ニュースで総合1位を連発しているコラムニストの著者が、伝わりやすい文章の書き方を大公開。

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 いつもの文にツヤを出す上級者テクニックや最後まで読んでもらえるコツなども学べるため、ビジネスパーソンだけでなく、SNSでのビジネスを検討している方やブロガー、ライターなど文を生業にしている人も注目の1冊となっている。

文章も見た目が9割! 「読みやすい」には漢字とひらがなのバランスが影響

 かつて、『人は見た目が9割』(竹内一郎/新潮社)という書籍が大ヒットしたが、著者いわく、文章も見た目が9割で、第一印象が大切なのだそう。読みやすい文を作るには、文章の見た目を演出することがカギとなる。

 文章を演出する方法のひとつとして、著者は「漢字とひらがなのバランスを意識しよう」とアドバイス。なぜなら、文章をパッと見た時、漢字が多すぎると堅さを感じて読む気が削がれたり、視覚的に威圧感を感じたりし、逆にひらがなが多いと幼稚な印象を持たれてしまうからだ。

 著者によれば、読みやすいと感じさせるバランスは漢字が30%、ひらがなが70%なのだそう。そのため、他の語の上について、その語と共に使われる「ご」「お」はひらがなにするのがベター(例:ご査収、お手数など)。「~ごと」や「~ぶり」という接尾語も、ひらがなのほうが読みやすく見えるという。

 また、「今」「主に」「必ず」「却って」などの副詞や接続詞も、ひらがなで表記するのがポイントなのだとか。

 本当に伝わる文章は読み手を思いやる、ちょっとした一工夫から生まれるのだ。

営業メールは「ターゲットの性格」を考慮して作成

 このビジネスは、どうしても失敗したくない…! そんな勝負時は、ターゲットとなる相手の性格を考慮して、送る文章を変えることが成功のカギに。

 例えば、送る相手が「即断即決タイプ」の人の場合。彼らはリスクを恐れずに自ら決断し、一度決定したことは、とことん実行することを好む傾向があるため、営業メールを送る際は自社のサービスを利用すれば必ず結果が出ることや、結果を出すために自分が積極的に動くことを明記するのがポイントなのだとか。

 対して、相手が「研究者思考タイプ」の人である場合。リスクを恐れ、裏付けとなるデータや理論があることを重んじやすいので、データや理論があることを明らかにし、原理原則に基づいて理論的に正しいことを伝える営業メールを送ろう、と著者は提案している。

 このように相手のタイプにより、文のスタイルを変える文章術は謝罪メールを送りたい時にも役立つ。著者はサンプル文を掲載し、即断即決タイプと研究者タイプそれぞれに適した謝罪メールの書き方も公開している。ぜひ、それらも参考にしながら、未来を切り開く文章術をモノにしてみてほしい。

文=古川諭香