【中島健人×松本穂香で映画化】感涙必至! 難病に侵された恋人とのラブストーリーを読書家たちはどう読んだ?

文芸・カルチャー

公開日:2022/4/2

桜のような僕の恋人
『桜のような僕の恋人』(宇山佳佑/集英社文庫)

 運命はなぜこんなにも残酷なのだろう。どうして思い合うふたりを引き裂こうとするのだろうか。

 突然の難病に引き裂かれる恋人たちを描いた『桜のような僕の恋人』(集英社文庫)が、今、大きな話題を呼んでいる。累計発行部数は70万部超。作者は、脚本家としても活躍し、本作をはじめ、切ないラブストーリーで注目される作家・宇山佳佑氏だ。

 主人公は、フリーターの朝倉晴人。彼は美容師の有明美咲に一目惚れし、彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指そうとする。美咲もまた、自分への思いをまっすぐに伝えてくる晴人の姿に惹かれ、やがてふたりは恋人同士に。だが、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲が、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症したのだ。

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 運命に翻弄されるふたりの物語は、涙なしに読むことができない。恋人同士になったふたりの微笑ましい様子をみてきたからこそ、美咲の難病が明らかになってからの日々に胸が苦しくなる。そんな切ないラブストーリーに読者たちはどんな感想を抱いたのだろうか。その中から一部をご紹介しよう。

一葉
運命は残酷です。そして日常は続く。何気ない日々こそ、宝物であって大切にしないとと気付かされました。


同じ時を歩めなくなってしまった2人のすれ違いや自分の体だけが周囲よりずっと早い時を刻むという苦悩や葛藤と戦っていた美咲を見て、なんでこの2人は幸せに結ばれないんだろう、病気さえなければ……と何度も思ってしまった。時間を止めたカメラ越しに切り取られた世界とずっと早い時間で進んでいく美咲の対比が残酷だけれどもとても綺麗だとも思った。

空飛ぶ蜘蛛
こんなにも泣いてしまう本は初めてだ。最後60ページぐらいずっと泣いている自分にびっくり。

聖愛(真×堀推し)
感動しました。どんな感動するという小説を読んでも泣かなかったのですが、この本では、大号泣しました。後半部分のすれ違いは本当に辛かったです。 恋愛小説では泣かない!と思っている人には、本当に読んでもらいたい1冊でした。

たぬき
主人公が自分と同い年やからこそ、自分に重ねて読みました。彼女たちの辛さは想像を絶するものではあるが、その中で 夢を、大切な人を、そしてかけがえのない日常を思い返させてくれたそんな一冊でした。

 どのコメントからも、この切ないラブストーリーから受けた大きな感動が伝わってくるだろう。残酷な運命、何気ない日常…。その中で紡がれていく愛の物語に多くの読者が涙を流したようだ。

 さらに、Sexy Zoneの中島健人と松本穂香が共演したこの小説の実写映画が、現在Netflixで独占配信されている。心揺さぶる物語は、読者を魅了した小説同様、出会いと別れの季節にピッタリ。豪華な俳優陣によって彩られれば、さらなる感動を巻き起こすに違いない。かけがえのない人ととの日常に感謝の思いが湧いてくるこの作品は、これからますます話題を呼ぶこと間違いなし。小説と実写映画をあわせてぜひとも楽しんでみてほしい。

文=アサトーミナミ