ライブ当日の朝。/学芸大青春のジュネッセンス!!【「ジュネス寮の日常」from 南優輝】
公開日:2022/5/19
いつもは目覚まし3個使いでやっとの思いで起きるのに、今日は目覚ましの10分前くらいに自然と目が覚めた。
携帯でLINEと今日のスケジュールを確認しながら、軽い足で部屋を出てリビングへ。
今日の朝ごはんは、野菜ジュースと、昨日将綺が作ってくれた麻婆海老と白いご飯。
昨晩、部屋の掃除をしていたら将綺がご飯を作りはじめて、優輝も食べなよってお裾分けしてくれた。もう夜ご飯は食べ終わってお腹いっぱいなのに、あまりに美味しくてついお米も一緒に食べてしまった。ただ、今食べ切るのはもったいないと思って2/3くらい冷蔵庫に入れて取っておいたのだ。
将綺のご飯はやっぱり美味しい。
朝から幸せな気分になりながら食器を洗い一旦部屋にもどる。
荷物の準備をしていると、お風呂場から聞き慣れたリップロールの音が。
そう、陽介だ。
やつは歌う仕事がある日はシャワーを浴びながら歌のアップをする。
準備が終わってシャワーに行くと、陽介はもう上がっていた。
僕は毎日、朝家を出る前と夜寝る前シャワーを浴びる。今日もいつも通りシャワーを浴びて上がると、洗面所で勇仁が顔を洗っていた。
仕事の時間が同じ日は、だいたい僕がシャワーを上がる時間にちょうど勇仁が洗面所にいるので、毎回適当なだる絡みをしてから部屋に戻るのが僕の中の謎ルールだ。今日は、いつもより少しご機嫌な感じで、鼻で笑われた。
髪を乾かしていると、朝から蓮にこっそり忍び寄られ脅かされた。つい大声が出てしまう僕の反応に満足げな笑みを浮かべて部屋に戻っていく蓮。そのためだけに出てきたのかお前は。
そんなこんなで、準備が終わって家を出た。僕が家を出たのは4番目。
同じ仕事へ向かう日、ジュネス寮を出る順番はだいたい決まっている。
将綺と蓮が2人揃ってトップバッター。先にコンビニに寄るために、2人はいつもかなり早めに寮を出る。
次が陽介か僕。別々で出るときは、ここの順番はよく入れ替わるが、ほとんどの場合準備が終わって部屋から出ると、偶然にも陽介も同じタイミングで部屋から出てくるので、一緒に行くことが多い。
最後はもちろん勇仁。
マイペースな勇仁は基本ギリギリまで寮にいるので、たまに間に合うかこっちが心配になってヒヤヒヤするが、本人はまったく焦っておらず、だいたいしっかり間に合う。不思議だ。
会場に着き、リハ着に着替えてアップを済ませてリハーサルへ。リハ終わりは本番に向けた修正点をみんなで話しあう。
本番までの時間、この日は蓮を中心に仮面ライダーの話で盛り上がっていた。
1ミリも仮面ライダーを知らない僕の、この日の1番の学びは、仮面ライダーのモデルがバッタということだった。衝撃だった。こんなこと言うとバッタに失礼だけど、よくバッタがモデルであんなにカッコ良くなって人気になったなと。
本番が近づき、記念に写真を撮ると将綺がひょこっと入ってきて。いつも通りそわそわしてきた陽介とは、一緒にK-POPのパフォーマンスを見て、気持ちを高めて。
いよいよ出番に。
お互い鼓舞し合いながらステージへ向かう途中、メンバーのおかげか以前よりリラックス出来ている自分に気付く僕がいた。