『カムカムエヴリバディ』きぬちゃん、ベリー、小夜子と一恵――朝ドラに欠かせない、ヒロインを支える友人たち
公開日:2022/4/2
現在放送中の、朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。朝ドラ史上初めて、祖母・母・娘、三世代の女性たちを主人公にしたファミリーストーリーです。安子(上白石萌音)・るい(深津絵里)・ひなた(川栄李奈)、3人の主人公たちにはみな、人生の相談に乗ってくれて、恋の背中を押してくれる友人たちの存在がありました。彼女たちのおかげもあり、安子は稔(松村北斗)と、るいはジョー(オダギリジョー)と結婚し、ひなたはいつも前向きに生きていくことができたのです。そんな、3人のヒロインの友人たちを紹介したいと思います。
多くのものを失くした安子を支える、きぬちゃんの存在
ひとり目の主人公・安子の友人はきぬちゃんこと水田きぬ(小野花梨)。安子とは尋常小学校からの友人で、安子が気づいていない勇(村上虹郎)の安子への思いも鋭く察知する、しっかりものの女の子です。稔と安子の間に流れる微妙な気配を察知したきぬは、毎年安子と一緒に行っていた夏祭りを“今年は用事があるから一緒に行けない”と嘘をついて、ふたりの仲をアシスト。きぬは戦時中に姉の嫁ぎ先へ疎開し、安子と会えなくなった時期もありましたが、戦後は岡山に戻り実家の豆腐店を継ぎます。きぬの結婚相手・力を『おかあさんといっしょ』の体操のお兄さん、小林よしひささんが演じたことも、SNSで話題に。きぬはその後も、突然始まった雉真家での暮らしに戸惑う安子を元気づけ、おはぎを売るために店の軒先を貸すなど安子をサポートします。そんなきぬを演じる小野花梨さんは、4月から稔を演じた松村北斗さん主演のドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』にも出演する若手注目女優。今後の活躍にも注目です。
実はるいと相性抜群、ベリーこと野田一子
ふたり目の主人公・るいの元恋敵であり、ママ友でもあるのがベリーこと野田一子。ドラマ『アンナチュラル』『大豆田とわ子と三人の元夫』など人気作でも主人公の友人役を演じ、人気を集めた市川実日子が演じます。ジョーに好意を寄せていたベリーは、当初るいのことを目の敵に。「控えめの皮をかぶった強欲の塊や」と、あからさまにるいに敵意を向けますが、面倒見のよいところもあり、なぜか憎めない存在です。ジョーとるいが“共鳴し合っている”ことを悟ると「私は負け犬やあらへん。ジョーが世界に認められるトランペッターになったら私の勝ちえ」と強がりながらも潔く身を引いたベリー。その後は、お互い想い合いながらもうまくいかないふたりにやきもきしたり、遠距離恋愛中あまり連絡をとらないるいに活を入れたりと、べリーなりにふたりを応援します。その姿にSNSでは「#俺たちのベリー」というハッシュタグも登場。視聴者の人気を集めました。るいが回転焼き屋を始めてからも、ご近所さんへ味の太鼓判を押したり、結婚式のデザートにしたりとアシスト。自分の気持ちを表現するのが苦手なるいと、歯に衣着せぬ姉御肌タイプのベリー。実は相性抜群のふたりの仲がずっと続いているのを見ると、嬉しい気持ちになります。
ひなたの幸せな少女時代に欠かせない存在、一恵と小夜子
三代目の主人公・ひなたは小さい頃、夏休みの宿題は最終日までやらず、授業中も妄想が止まらず先生に叱られる女の子でした。しかし、まだ仲良くなる前のさよちゃんこと藤井小夜子(新川優愛)が夕立にあっていて動けずにいるのを見ると、すぐに家から傘を取って渡してあげるなど、友達想いの女の子でもあります。そんなさよちゃんとベリーの娘・一恵(三浦透子)は宿題を手伝うなど、いつもひなたをサポート。良き友人に囲まれたひなたの少女時代は、るいとジョーが手に入れられなかった幸せそのものです。ひなたがその名前の通り、周囲を照らすことのできる人間になったのも、このふたりがいたからこそ。高校まで同級生だった3人ですが、ひなたの弟・桃太郎の想い人でもあるさよちゃんは、桃太郎が通う学校の先生に。その後同級生である吉之丞と結婚し、子どもを産みます。世界的に高い評価を得た映画『ドライブ・マイ・カー』にも出演した三浦透子さんが演じる一恵は、美咲すみれ(安達祐実)のお茶の先生をしたりする中で、ひなたの職場の先輩・榊原(平埜生成)といい仲に、ひなたがふたりを取りもちました。結婚・出産とライフステージが変わっていっても仲が続く3人の姿も、また素敵です。
それぞれの友人に助けられて生きてきたヒロインたちの物語も、最終回直前。新たな真実がどんどん明かされる展開に目が離せません。
文=原智香
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