少しずつ好きな人を知っていく嬉しさ。この初恋に思わず感情移入!『AM8:02、はつこい』/斉藤朱夏のしゅか漫画④

アニメ

公開日:2022/4/16

斉藤朱夏_1

毎朝8時02分のバスで見かけるあの人、気づいた時には目が追ってしまっている。
これはなんだろ、恋? ただのアイドル的存在なだけ?
女子校育ちの主人公・日和が、自分とは別世界で生きている
眩しくてキラキラした男子・沖瀬くんのことが気になりだしたところから物語が始まる。

今回紹介する作品は
紺野りさ先生が描く『AM8:02、はつこい』(小学館)略して「Aこい(えーこい)」。
単行本は現在1巻が発売されているが、まだ物語の序盤だというのにすでにドキドキし、そして読むたびにニッコリともしてしまう。

普段生活をしていると、よくバスや電車で移動をすることがある。
その中で私たちは毎日知らない人とすれ違っているのだろうか。
毎日見かける人はどれくらい、いるのだろうか?
この作品を読んでふとそう思った。

むしろ生きていくうちに何人と出会うことができるんだろう。
気になって仕方ない。

学生の時って学校内が世界の中心になるから、
どんなに些細なことでも大事件になってしまう。
大袈裟かもしれないが、実際私も学生時代の時はそう思っていた。
大人になって、世界はこんなにも広いのかと驚いたほどに。

その些細な出来事が幸せなことでもつらいことでも、
その日一日が全て最高になったり、最悪になったりする。
極端な話だけど、そうして毎日いろんな感情に振り回されるのだ。

けど全てはタイミングなのかもと私は思う。

そのタイミングが合致した時に一歩前進する。
人生って不思議だ、一個でもピースがハマると
どんどんピースが埋まっていく。
けれど、埋まれば埋まるほど空回りもしてしまう。
そう簡単には人生を進むことができないっ。

きっと神様のイタズラだっ!

けど恋をしてる時は無敵だ。
そんなことを日和に教えてもらった。
抑えきれないパワーで前に前にと勝手に進んでしまう。
その人のことを知りたいから。

そんなふたりの距離が少しずつ縮まる姿を見て、
ああなんて平和なんだろうと、声を漏らしてしまった。

何も知らないからこそひとつずつ知っていく嬉しさ。
沖瀬くんの気遣いがたくさん見られて、
そりゃ男女共に人気だわと頷いてしまう。
沖瀬くんのそんな姿に日和が「もっとがんばる」と
沖瀬くんに宣言している姿に微笑んでしまった。

なんとなしだった毎日が
沖瀬くんによって、変わっていく。
恋ってすごいや。

これからふたりがどういう道を歩んでいくか
今から楽しみで仕方ない。

日和がどう前に進んでいくのか、
沖瀬くんをもっと知っていく今後に
日和と同じ気持ちでドキドキしそう。

日和と一緒にドキドキしたい
そんなあなたにきっとぴったりな作品だと思う。

第5回に続く

斉藤朱夏(さいとう・しゅか) 埼玉県出身。声優、アーティスト。2015年『ラブライブ! サンシャイン!!』の「渡辺 曜」役で本格声優デビュー。同作品のスクールアイドルグループAqoursとしても活動。2018年11月に開催されたAqoursの東京ドーム公演(2days)では、国内外ライブビューイング含め、15万人の動員を記録。「第69回 NHK紅白歌合戦」への出場も果たす。2019年にミニアルバム『くつひも』でアーティストデビュー。2020年にミニアルバム『SUNFLOWER』、2021年8月に1stアルバム『パッチワーク』をリリース。