感情には隠された目的がある? シンプルで明快! 人生に役立つ『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』

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更新日:2022/4/13

 ロングセラーや話題の1冊の「読みどころ」は? ダ・ヴィンチWeb編集部がセレクト
した『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(小倉広/ダイヤモンド社)をご紹介します。

アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉
『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(小倉広/ダイヤモンド社)

こんな人にオススメ!

・自分に自信が持てず、ネガティブ思考に陥りやすい人
・人間関係に悩んでいる人
・子どもや部下など「人育て」をしている人

3つのポイント

要点1 「人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生は、きわめてシンプルである」(「自己決定性について」より)など、アドラーおよびその弟子たちのシンプルで明快な100の言葉を厳選して紹介。

要点2 100の言葉を「自己決定性」「劣等感」「感情」「ライフスタイル」「ライフタスク」「家族構成」「教育」「共同体感覚」「勇気」「課題の分離」の項目に分類し、平易なわかりやすい言葉で解説。

要点3 100の言葉はあらゆる人が日常生活を送る上で役に立つ考え方、行動を示唆。これからの人生で大切にしていきたい言葉に出会えるだろう。

<プロフィール>
アルフレッド・アドラー(1870-1937)
オーストリア出身の心理学者。現代心理学に多大な貢献をした、フロイトやユングと並ぶ巨人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、「自己啓発の父」と呼ばれる。

小倉広(解説)
公認心理師(国家資格)、心理カウンセラー。30歳時の昇進うつをきっかけに心理療法を学び始める。著書に「もし、アドラーが上司だったら」(プレジデント社)「コーチングよりも大切なカウンセリングの技術」(日本経済新聞出版社)など。

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●すべてあなたが決めたこと

 人生は遺伝や家庭環境、学校や職場など様々なものに影響されるが、実は最も大きな決定要因は自分自身が下してきた決断の数々だ。今の仕事やパートナーを選んだのも自分だし、もし「自分の人生は親のいいなりだ」と感じるなら、それを「よし」としたのも自分なのだ。つまりこれまでを作ったのも自分、そしてこれからの人生を作るのも自分ということだ。

●そのままの自分を認めよ

 劣等感とは「自分が劣っている」と主観的に思うこと。誰もが持っているものだが、過度に持ちすぎるのは健全ではない。ダメなところやできていないことがあっても「そのままの自分を受け入れる勇気」を持つ人こそが本当に強い人間であり、幸せになれるのだ。

●感情には隠された目的がある

 アドラー心理学では「感情が人を突き動かす」のではなく、人は目的のために「感情を使用する」と捉える。その目的のひとつは相手を操作し支配するためであり、もうひとつは自分自身を突き動かすため。冷静な判断だけでは行動に移せない時、感情がガソリンとなって弾みをつけてくれるのだ。つまり感情に「支配」されるのではなく「利用」すればよいのだ。

●性格は今この瞬間に変えられる

 性格を変えるには、自分が持っている精神的な要素の「使い方」を変えればいい。アドラーは子どもの頃に「怒らない人」になったというが、それは「怒り」という感情を持つか持たないかではなく、怒りをどのように扱うか、怒りをどのくらいの頻度で利用するかを変更しただけのこと。このように生まれ変わらずとも、性格はすぐに変えられるのだ。

●あらゆる悩みは対人関係に行き着く

 私たちの言動や感情には、すべて「相手」がいて「目的」がある。たとえば「最近ウツっぽいんです」という言葉には繊細でナイーブな自分をアピールするという目的があり、「忙しくて休みが取れない」の言葉には忙しさをアピールする目的がある。つまり私たちは常に「観客」を意識して言動しており、それほどまでに私たちには対人関係が重要ということ。そのため、あらゆる悩みもそこに行き着くのだ。

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●家族こそが世界である

 子どもにとって家族は「世界そのもの」であり、子どもは親から愛されなければ生きていけない。そのため、ある子は愛されるために親のいいつけを守るいい子になろうとするし、ある子は問題行動を起こすことで親を自分のほうに振り向かせようとしたりもする。そうした命がけの戦略がそのまま性格の形成につながっていくのだ。

●叱ってはいけない、ほめてもいけない

 ごほうびやほめ言葉につられて私たちの言う通りの行動をとる人がいたとしたら、その人は自分の意思で行動しているのではないため、私たちが見ていなければその行動をとらないだろう。逆に罰や叱ることで望ましくない行動を防ぐのも同じこと。過ちをわからせるには親しみのある話し合いをすればよく、大切なのはそれができる信頼関係を築くことだ。

●幸せになる唯一の方法は他者への貢献

 アドラー心理学では「相手を思い、相手を優先する」共同体感覚を重要な柱とした。社会の中で居場所がない時には、泣き言を言っていてもはじまらない。自ら居場所を作るために、まず他者に貢献することからはじめればいい。そのことで他者から感謝され、他者からお返しとして支援され、やがて社会の中に居場所ができていくのだ。

●困難を克服する勇気を持て

 人生には困難はつきものだが、どんな困難にあっても共同体感覚を持ち続けられるかどうか私たちは試され続けている。このような困難を克服する活力をアドラーは「勇気」と呼んだ。この「勇気」は「誰かに貢献できている」と思える時にだけ持てるものであり、勇気のない人が困難にあうと、あっという間に人生のダークサイドに落ちていってしまうのだ。

●他人の課題を背負ってはいけない

 子どもが勉強をしない時、親が「勉強しなさい」と子どもを叱ることがある。しかし「勉強する」という課題は子ども自身のものであり、成績が悪化して不利益を被るのも子ども自身なのだ。多くの親は子どもの課題に土足で踏み込むが、それは子どものためではなく親がコントロールしようとしているから。あらゆる人間関係のトラブルはこのように他人の課題に土足で踏み込むことによって起こるのだ。

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