子どもの頃からずっと一緒にいる「テディベア」。大人になっても手放せない理由は…/イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日
更新日:2022/7/21
『不思議の国のアリス』の作者、ルイス・キャロルの言葉に由来する“HAPPY UNBIRTHDAY”のフレーズで、いつもの風景ももっと素敵に見えてくる――。
『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日──英国の人たちから学びたい毎日を心地よく過ごすための鍵』では、 現地で暮らす著者が、イギリスの何気ないけれど愛おしい日常を1日1ページずつ365日分綴ります。
英国の人たちが大切にしている文化や生活に触れ、日々を心地よく暮らすヒントを見つけてみませんか? 365日どのページから読んでも楽しめる一冊です。
子どもの頃から「テディベア」とともに過ごすイギリス人。彼らにとって「テディベア」は親友以上の大切な存在。
※本作品は江國まゆ著の書籍『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日──英国の人たちから学びたい毎日を心地よく過ごすための鍵』から一部抜粋・編集しました
テディベアとイギリス人
イギリス全土に展開するホテルチェーンが行った調査で、イギリス人の約3分の1が旅先に自分のテディベアを伴っていることがわかり話題になったことがあります。この国では子どもが生まれるとすぐ、両親や親族、近い友人からテディベアをプレゼントされることが慣習となっていて、多くの幼稚園や小学校では「自分のテディベアを連れて来てみんなに紹介する日」があるほど。子どもたちはベアと遊び、話し、ともに眠り、ときには親や親友にも言えない悲しみや喜びを打ち明け、ぎゅっと抱きしめる。こうしてテディベアは、真の感情をぶつけられる親友以上の存在となり、痛みを分けた分身となるのです。
そんなイギリス人たちが、大人になっても心の底にたまった思いをテディベアと分け合っているとしたら……。彼らがベアと離れられない理由は、そんなところにある気がしてなりません。