子どもの頃からずっと一緒にいる「テディベア」。大人になっても手放せない理由は…/イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日
更新日:2022/7/21
優れた建築を内側から愛でる
企業オフィスや個人宅など、普段見ることができない名建築の中を探検できる「オープン・ハウス・ロンドン」が開催されるようになったのはおよそ30年前。プライベート建築の内側を楽しむ貴重なチャンスは、毎年9月の週末にめぐってきます。各国大使館や王立裁判所などの公的機関も含め、約800の建物が公開されるとあってロンドナーたちに大変人気の高いイベント。外だけでなく中身も見てもらうことで建築的な価値に触れてもらうという理念は変わりません。
一番人気の訪問先はウェストミンスターにある英国外務省で、2019年9月の週末に集めた訪問者は1万4000人! 地下鉄駅の舞台裏ツアーも好奇心をかき立てるらしく大勢が集まります。個人のお宅拝見ツアーは言わずもがな。毎年建築を学ぶ学生やリタイアした専門家たちがチャリティーで運営に関わり、大勢の建築ファンを迎えるのです。
家は城、お楽しみハウス・ツアー
イギリス人にとって自宅は城。そういう言葉を聞いたことはありませんか? この国に暮らしていると、それを実感します。価値が下がらないという事実も手伝って築数百年の古い建築を好み、内装をその時々のオーナー仕様に変えながら、この国の不動産ゲームは延々と続きます。そうして仕上げた家への愛着は強く、自宅で家族と過ごす時間は何物にも代え難いと思っている彼らなのです。
誰かの家に初めて遊びに行くと、大抵「ハウス・ツアー」をしてくれます。家の中を一通り案内してくれるのですが、素敵な内装を見せて自慢したいという場合もありますし、初めての人に自宅を披露するだけでこだわりなしという場合もあります。お客様が来るからきれいに掃除するでもなく、ありのままの状態で見せるのもよくある話。生活感たっぷりの家を見せてもらうと、思わぬ発見もあるものです。