世界的に注目されている「ロンドン映画祭」。コロナ禍における映画界の状況は…/イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日
更新日:2022/7/21
万人が走るロンドンマラソン
4月の恒例行事であるロンドンマラソンといえば、一般の抽選枠に当選するのが世界で一番難しいといわれるほどの人気で、招待枠のエリート選手に加え毎年ラッキーな4万人の一般ランナーが純粋にマラソンを楽しむ、万人のためのスポーツイベントです。
それが2020年以降はパンデミックにより開催日が10月最初の日曜日に変更。2020年は過去最高の45万人が抽選枠に応募! 結果的に一般ランナーがコースを走ることはできませんでしたが、代わりにバーチャル部門が設置されました。約4万5000人が事前に公式アプリをダウンロードし、海外からの参加も含めて自分で設定した42.195キロのコースを走ったのです。ロンドンマラソンは自分がサポートするチャリティー団体への資金調達の目的で参加する人の枠もあり、感動をもらう場面もちりばめられ、多様性に親しむ一日でもあります。
映画の季節
パンデミックによって最も打撃を受けた業界の一つが、映画産業でした。その救済の取りまとめ的な役割をしたのが、毎年10月、2週間にわたってロンドン映画祭を主催している英国映画協会(BFI)です。ロンドン映画祭は毎年レスター・スクエアにあるオデオンでオープニングが行われ、世界的な注目を集めます。その芸術の華やぎを絶やさないための懸命の努力と情熱が見られたのが、パンデミック期でした。
映像産業はイギリスで18万人以上を雇用し、年間120億ポンド以上の経済規模。政府は映画館を含む関連組織を守るために5億ポンドの救済基金を捻出。国営宝くじ→ 50/365 からも助成金が出ました。BFIでは政府とともに、これまであらゆる形で国内映像産業をサポートし、200以上の独立系の映画館を救済してきたそうです。文化遺産を守る姿勢が強いのは、とてもイギリスらしいと思うことの一つです。