天気の影響で体調が悪くなる人が増加。自分では判断しづらい「気象病」のつらさとは?/「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本

健康・美容

公開日:2022/4/27

 天気が悪い日に起こる頭痛やだるさなどの不調、いわゆる「気象病」に悩まされている方は多いのではないでしょうか。

 今回ご紹介する書籍は、これまでに1万人以上を診察してきた天気痛ドクター佐藤純氏が、天気が悪いときの不調の原因や、症状を緩和する方法を優しく丁寧に解説。異常気象により不安定な天候が多い現代。『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』で、気象病との上手な付き合い方を学んでみませんか。

 天気の影響を受ける病気や症状。まわりに理解されず気付きにくい「気象病」は、ときには人間関係のトラブルを招くことも…。

※本作品は佐藤純著の書籍『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』から一部抜粋・編集しました

「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本
『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』(佐藤純/アスコム)

「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本

 天気の影響を受けて体調を崩す人の症状としてもっとも多いのは、頭痛です。

 そのほかには肩こりや首こり、めまい、腰痛といった直接痛みが現れるもの、だるさや気分の落ち込み、うつ症状といったメンタルに関与するものなど、その症状は多岐にわたります。

 以前、愛知県尾張旭市に住む20歳以上の住民6000人を対象に、「体のどこかに3か月以上続く慢性的な痛みがありますか?」というアンケートを実施したところ、約39%の人が「はい」と答えました。そのうちの約25%は天気が悪いとき、あるいは天気の崩れるときに症状が悪化するとも回答しています。

 この割合を日本の20歳以上の人口に当てはめますと、実に1000万人以上が天気の影響を受けていることがうかがい知れます。

 また、私の外来にいらっしゃる患者さんの約5人に1人が10代、最少年齢では5歳という若い世代であることを考えますと、潜在的にはもっと多くの方々が悩まされていることも否めないでしょう。

 昨今は、各地でさまざまな異常気象が観測されています。それに伴って気象病・天気痛外来に来られる患者さんもどんどん増えています。

 台風を例に挙げれば、温暖化の影響で海面水温が上昇したことにより、日本近海で発生する台風が増えており、発生した2〜3日後に上陸することも珍しくありません。非常に近いところで発生するということは、それだけ気圧の変化も急激になるため、必然的に体へのダメージも大きくなります。

 また、ゲリラ豪雨や猛暑日の発生件数も年々増加傾向にあり、天気の影響を受ける機会は増え続けています。気象病の症状には個人差があり、ひどい場合は動くことすら難しくなります。自然災害時の災害難民と聞くと体の不自由なお年寄りを想像してしまいがちですが、実は救助を求める人のなかには、天気の影響による体調不良で動きたくても動けなくなっている若い人も多いのです。

 その予備群が1000万人。もしかすると、あなたもその1人かもしれません。でも、安心してください。原因が天気なら対処法や解決策があります。

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