「星使い」の少女が街や家族を取り戻すための旅に出る! 王道冒険ファンタジー『星使いセレナ』/マンガPOP横丁(109)
公開日:2022/5/6
あくまでも個人的な印象だが、ファンタジーであっても、最近はそこそこテーマが重い作品に出合うことが多くなった気がする。でも今回紹介するのは、どこかほのぼのとしていて、どんな年代の方も楽しめる王道の冒険ファンタジー作品。LEN[A-7]先生の『星使いセレナ』(講談社)だ。
ドアの先に待つのは…!? 世界を巡る星獣捜しの旅
星座の力を使う星使いと、星座の力を宿す星獣と共に暮らしていた街に、ある日「災厄」が襲う。街の人は石にされ、星獣は世界のあちらこちらに飛ばされてしまった。幸いにもおじいちゃんに守られて災厄の被害から免れた星使いの少女・セレナは、家族や街の人を取り戻すため、特定の場所へ瞬時に移動できる能力を持つ、見た目はドアそのものの相棒・ドア君とともに星獣を捜す旅へ出発する。
まずセレナが向かったのは静かな森の中。そこで突然、謎の生物に襲われる。しかしすぐにここの住民に助けられる。見た目は少女で実は結婚しているその住民には悩みがあった。夫が果物採りに行ったまま3日間帰ってきていないという。もしかしたら星獣の仕業かもしれないと推測するセレナ。すると再び謎の生物がセレナたちを襲ってきて……。扉の先々で星獣にまつわる事件がセレナたちを待ち受ける!
とってもファンシーな世界と個性豊かな星獣が魅力
この物語は、移動した先で星獣にまつわる事件を解決していく冒険ファンタジーだ。ちなみにセレナが向かう先々で回収する星獣は“○○座”など実在する星座の名で、その名称に関した能力を持っている。例えばセレナと一緒にいる“ポンプ座”という星獣は、物体を吸い上げる能力を持ち、森の中で起こった行方不明事件ではポンプ座の能力で事件を解決するという重要な役割を果たす。そんな星獣たちの活躍も楽しい。そしてこの作品はなんといっても登場するキャラクターがファンシーでとってもキュート! 特に星獣はそのフォルムが非常に個性的なので、きっとお気に入りの子が出てくるハズだ。
絵柄も可愛く、天真爛漫な性格のセレナと星獣たちを中心とした物語はキャッキャ展開多し! 今後も楽しい冒険を期待したい!
文・手書きPOP=はりまりょう