羽生結弦「自分ノートにその日気になったことを書いておく」/天才たちの習慣100
公開日:2022/5/10
世に名を馳せた天才たちによる、「毎日実践していた習慣」や「日々思い描いていた人生哲学」、「経験から生まれたマイルール」などなど…。その「効果」「効能」を、『すぐに真似できる 天才たちの習慣100』(教育総研/KADOKAWA)からご紹介します!
小学2年生から綴っている「発明ノート」
羽生結弦選手が演技の中で何度も4回転を飛び、また、4回転からのトリプルアクセルといった連続ジャンプや、4回転半ジャンプなど、高度な技に挑戦し続けていることは皆さんもご存じの通りですが、彼のテクニックを裏支えしているのが「発明ノート」です。この「発明ノート」はいわば彼の練習日誌で、練習の時に気になったことや感じたこと(感覚、スピード、タイミングなど)が殴り書きされています。
「小学2年生のとき、コーチに『ノートをつけなさい』と言われ、つけ始めたのがきっかけだったそうです。今でも体の動きやタイミングを整理し、言葉にして記録に残しておく。羽生はその能力が高い。ジャンプが成功したときの共通点は何か。足や腕の位置などをずっとメモする。コーチに聞いたり、ほかの選手を見たり、家族の話を聞いたり。いろんな材料をいっぱい集める」(朝日新聞・後藤太輔記者による/「AERA dot.」(2018年2月20日付))
羽生選手は就寝前、布団に入ってイメージトレーニングをしている最中に突然ひらめき、起き上がってノートに書き留めることもあるそうです。そんな時の羽生選手は「眠い、と思いながら机に向かって、ガーッと書いて、パタッと寝る」といいます。これは羽生選手が常に努力を怠らない証拠ですが、「自分ノート」をつけているトップアスリートには体操の内村航平選手やサッカーの本田圭佑選手などもいます。また、アスリートではありませんが、将棋界の若き天才・藤井聡太氏も5歳の頃から「将棋ノート」をつけ、対局を言葉で振り返るそうです。
【プラスα】「練習日誌」をつけることの心理学的効果
堀野博幸教授(早稲田大学スポーツ科学学術院)によると、「練習日誌」をつけることによって、「記憶の定着と忘却の防止」「現状分析と目標の再設定」「囚われからの解放」という3つの心理学的効果があるといいます。特に3つ目の点は、「頭の中で考え続けることをノートに取り出すことで、気になることへの執着や心が囚われた状態から自分自身を解放」してくれるのだそう。ビジネスパーソンも、ノートをつけることで仕事を振り返り、より効果的に働けるようになるのではないでしょうか。