「お酒を減らすと人生がみえてくる」飲み方に不安な人にすすめたい「減酒」という考え方
公開日:2022/5/10
「健康診断で引っかかり、医者から酒を減らせ(やめろ)と言われている」方、本書『今日から減酒! お酒を減らすと人生がみえてくる』(倉持穣/主婦の友社)は必読です!
さらに「休肝日なしで毎日飲んでいる」「酒を飲まないと眠れない」「いつも二日酔いになる」「どうしても酒をやめられない」「飲み始めると大量に飲んでしまう」という方も必読!
また酒を飲むと「記憶をなくす/電車を乗り過ごす/物をなくしたり壊したことがある/ケガをしたことがある/とんでもないところで寝ていた/大量に食べてしまう/周りから“ヤバい飲み方をしている”と指摘された/警察のご厄介になったことがある」という経験がある方、そして「家族がお酒で失敗していて困っている」「なんとかしてお酒をやめさせたい」と考えている周りの方も必読です!
そしてタイトルを見て「お酒で失敗したことなんて(ほとんど)ない」「いつも楽しく飲んでいる」「酒に強いから大丈夫」と「私には関係ない」と思った酒飲みのあなた! 本書はそんなあなたにもぜひ読んでもらいたい1冊なのです!
「楽しく飲んでいるのに、なぜ酒を減らさないといけないの?」と思いましたよね? 「酒は憂いの玉箒」であり「酒は百薬の長」とも言われます。しかしそれは適量を守り、習慣的に飲まなければ、のこと。厚生労働省は1日の適度な飲酒量を「純アルコールで男性では20g以下、女性ではそれより少ない量」と規定しており(※他にも付帯事項があります)、これはビールであれば500ml、ウィスキーであればダブル(約60ml)の量。しかし酒飲みの皆さんは「そんなんじゃ全然足りない!」と思いますよね?
しかし酒には強力な依存性があるため、ハマる危険性がとても高く、習慣的に飲むようになるとやがて酒量が増え、飲酒がコントロールできなくなり、さまざまな要因が重なったりして、アルコール依存症になってしまう場合があるのです。さらに2020年から続くコロナ禍で、外出を避けて自宅にこもる人、在宅勤務の人が増えたことなどでアルコール依存症は増えているのだそうです。
またアルコール依存症というと、お酒が切れると手が震えたり、片時もお酒が手放せなくて常に酔っ払った状態の人というイメージがあるかと思いますが、それは「習慣飲酒」が続いた末(こうなると重度のアルコール依存症)の状態。しかし今は楽しく飲んでいても、何かをきっかけに依存症へと進行、重度の状態まで行ってしまうことがある、つまり「楽しい」と「依存症」はシームレスにつながっているのです。さらにアルコール依存症はたまに飲むだけの「機会飲酒」にも危険が潜んでいることもご存じでしょうか? 習慣的には飲まないけれど、ときどき鯨飲して羽目を外してしまう人も、実は果てしないアルコール依存症への入口に立っている、もしくはすでに依存症の真っ只中かもしれないのです!
そこでぜひ取り入れたいのが「減酒」という考え方。本書は秋葉原でアルコール依存症の外来治療を行っている医師の倉持穣先生が、飲む人を甘やかす“やさしい悪魔=アルコール”が心と体にどんな影響を与え、それが進むとどうなってしまうのか(本書を読むと酒飲みは少々背筋が寒くなります……)、アルコールを減らすことで得られるメリット、そして減酒の実践法を伝授してくれます(さらに一歩進んだ「断酒」についても解説あり)。さらには実際に酒で地獄を見た方の体験談もあって、アルコール依存症が身近なことも実感できるでしょう。
「減酒」の良い点は、酒を飲む人が今できるところから始められること、そして失敗しても再びチャレンジできるので気楽に始められることにあります。例えば今までビール3杯だった方が、ビール2杯にすることも減酒の始め方であり、そこで「お酒を減らすとこんなに良い状態になり、毎日が充実するのか」と実感できれば、さらなる減酒(もしくは断酒)につながる、というものなのです。
酒による快楽は手軽に得られ、しかもその記憶は深く脳に刻まれるもの。まずはアルコールについて知ることが肝要なのです(そして肝臓も大事にしましょう)。減酒を始めるきっかけを本書でつかみ、健康で楽しい人生を送るきっかけにしていただきたく思います。
文=成田“今日から減酒!”全(ナリタタモツ)
※【参考】
飲酒のガイドライン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html