丸岡和佳奈「できる限りたくさんの作品に携わりながら、“声帯”として作品の一部になりたい」【声優図鑑】

アニメ

公開日:2022/5/31

丸岡和佳奈

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチWebの恒例企画『声優図鑑』。第287回に登場するのは、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の杜野凛世役や、『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』のイリーナ・リッツ・ド・オールハイド役を演じる丸岡和佳奈さんです。

小学校低学年から深夜アニメを観始めたという生粋のアニメ好き! 一時期は公務員に憧れたそうですが、どのような経緯で声優を目指すことになったのでしょうか。日常の癒し=イマジナリーキャットのお話も登場しました。

小中学生の帰り際に見えない敵と戦っていました(笑)

——自他共にオタクと認める丸岡さんですが、幼少時はどんな子どもでしたか?

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丸岡:可愛いものが好きじゃなくて、「女の子らしくしろ」と言われると反抗したり、スカートを履くのを嫌がるようなタイプでしたね。「らしく」ってなんだろうと…。好きなようにすればいいのでは、と思っていたので。

——学生時代に夢中になっていたことはありますか?

丸岡:小中学生の頃は気の合うオタク仲間で集まって、帰り際に見えない敵と戦っていました(笑)。いちばん仲のいい友だちとは別の高校に進んだんですけど、お互いにその希少価値に気づきまして…。今でも20年来の付き合いがあります。

——気の合う友だちがいてラッキーでしたね。どんなことがきっかけでオタクになったんですか?

丸岡:やっぱりアニメの影響は大きかったです。小学校の低学年から深夜アニメを観始めて、最初に観たのは『ちょびっツ』。全然子ども向けじゃないですね(笑)。でも当時は、ただ可愛いとか面白いとか、そんな子どもらしい興味で観てました。ゲームもその頃に始めて、朝の8時から翌朝の7時までゲームで遊んでいるような子でした(笑)。

「普通になりたい」気持ちからの解放

——声優になりたいと思ったのはいつ頃ですか?

丸岡:最初は公務員になりたかったんですけど、気づいたら…。アニメもそうですけど、ゼロから生み出されたようなフィクションが好きだったので、声優という仕事を知ってから興味が湧きました。最初は、可愛い役を演じてみたいとか、簡単な理由だったと思います。ゲームをするお姉ちゃんの横でキャラクターの真似をすることも多かったですね。アニメやゲームの世界に入り込むことが好きだったのかな、と思います。

——高校を卒業してから東京声優・国際アカデミーに入学したそうですが、実際にお芝居を体験してどうでしたか?

丸岡:自分の見た目に関係なく、どんな役にもなれるのが面白くて、お芝居にはまりましたね。

——専門学校のいちばんの思い出を挙げると?

丸岡:今では言われなくなりましたけど、私、昔は声が変だったみたいで。「アニメっぽい」とか「ぶりっ子」とか言われて気になってたんです。だから「普通になりたい」ってずっと思ってたんですけど、専門学校の先生が「お前はおもろいからそのままいけ!」と言ってくれて。「役者が“変”って言われるのは褒め言葉だから、それをプラスに変えるといい」と言われてからは、小さなことを気にせず、のびのびお芝居したいなって思いました。

まさか私が魔法少女になるとは…

——『アイドルマスター シャイニーカラーズ』で演じる杜野凛世役は大和撫子タイプの女の子ですが、ご自身で気に入っているポイントを教えてください。

丸岡:よく言われますけど、私とは真逆の女の子です(笑)。語彙力がすごくて、大和撫子ならではの美しい日本語でお話できるのが素敵。最初は感情を抑えながら物静かに演じていたんですけど、成長につれて少しずつ感情が表に出てきて。感情表現もそうですけど、言葉の返し方が少しずつ変わっていくのも演じていて面白いところです。

——『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』では、有夢うらら役を演じていますね。

丸岡:もともと『魔法少女まどか☆マギカ』が好きだったので、まさか私が魔法少女になるとは!と(笑)。オーディションではまだキャラクターが決まっていなかったんですが、今まで演じたことがないような明るい役をいただいたので驚きました。演じる時はとにかくパワーが必要ですけど、周りのみんなを引っ張っていくような明るさがあるので、うららちゃんはすごいな〜と感じています。

イマジナリーキャットに癒されてます

——パーソナルなお話もお伺いしますが、日常の中で幸せを感じる瞬間とは?

丸岡:お仕事が好きなので、プライベートというより、お芝居をしている時間がいちばん幸せです。家で考えている時は煮詰まることもあるし、普通の会話ではいろいろ考えちゃうけど、お芝居では役になりきって自然と言葉が出てくる感覚があって、それがすごく楽しいです。

——では、ちょっと元気がない時にどうやって気持ちを盛り上げますか?

丸岡:猫カフェに行きます! 拾われたり、もともと人に慣れていない猫ちゃんがいる保護猫カフェが気に入ってます。前は懐かなかった猫ちゃんが、次に行くとベロベロになっていることがあったりして面白いですね。オープンから入店してクローズまでずっといるくらい好きです(笑)。

——聞いた話によると、イマジナリーキャットを飼っているとか!?

丸岡:はい、空想の世界で飼ってます。実態はないんですけど、長毛種の白い猫で、顔がペチャッとしてる子なんですね。家に帰ってきたら迎えてくれて、たまに廊下に出ちゃうんだけど、人間が怖くて固まっちゃう…っていう設定までは私の中にあって。この子が好きな紫色のオモチャも持ってます。

——いつ頃からいるんですか?

丸岡:外に出るのが難しくなった時期に、猫カフェにも行けなくて、どうしよう…と思った時にイマジナリーで飼おうと。実態はないけど、私にとっては癒しで、かわいくてしょうがないです。みんなに写真を送ると怖いって言われますけど(笑)。

“声帯”として作品の一部になりたい

——ダ・ヴィンチWebのユーザーに向けて、好きな本や漫画をぜひ教えてください!

丸岡:小説やライトノベルを読むのがすごく苦手なんですが、『デュラララ!!』だけは読んでました! 読み始めたのは小学生か中学生の時。アニメを観てから原作も読んでみたいなと思って。唯一はまって、学校の休み時間をすべて使って読んでました。

——おすすめポイントは?

丸岡:読むと物語の舞台になっている池袋に行きたくなるという(笑)、日常と非日常のバランスが絶妙なんですよね。ギリギリ日常にありそうなことが描かれていたりするのが好きです。キャラクターで好きなのは紀田正臣。面白いことばかり話しているけど意外といろんなことを経験していて、外見は軽そうだけど中身は深いところが好きですね。

——これからどんな声優になっていきたいですか?

丸岡:大好きなアニメやゲームの一部になりたいっていう気持ちは変わらないので、できる限りたくさんの作品に携わりながら、“声帯”として作品の一部になれたらいいなと思っています。もう、それだけですね。

——丸岡さんに注目しているファンの方にメッセージを!

丸岡:いつも応援ありがとうございます。こんな私のことを面白いと言ってくださり、私自身は嬉しく、救われています。応援していただくからにはやっぱり、少しでも多くの作品を楽しんでもらえたら、と思います。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

——丸岡さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】丸岡和佳奈さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

丸岡和佳奈

丸岡和佳奈(まるおか・わかな)WITH LINE所属

丸岡和佳奈(まるおか・わかな)Twitter

◆撮影協力

撮影=高木成和、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト