Twitterのフォロワーは25万人! 猫好きを虜にするお寺の猫と住職。6匹の猫とあるがままに生きる「那須の長楽寺」の魅力

暮らし

公開日:2022/5/26

6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺
6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺』(那須の長楽寺/主婦の友社)

 猫に会える猫寺は全国各地に多数あるが、その中でも近年注目を集めているのが、栃木県那須郡にある「長楽寺」。ここには、毎朝愛猫に囲まれながらご飯をあげつつ、自分の朝食を食べ進める猫好きな住職がいる。

「#猫全もり」や「#猫ましまし」、「#ノールックエサやり」というハッシュタグがつけられたその光景は、TwitterやインスタグラムなどのSNSにアップされた途端たちまち話題に。

 2019年にはフォトブックエッセイ『てらねこ 毎日が幸せになる お寺と猫の連れ添い方』(石原さくら・長楽寺:写真/KADOKAWA)を上梓。お寺で暮らす猫たちと住職の日常に癒される人が続出した。

advertisement

 そんな著者は、このたび新刊『6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺』(那須の長楽寺/主婦の友社)を上梓。本書には、2020年に新たに家族の仲間入りを果たした、こーちゃんとたー君も登場。

6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺 P16-17

6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺 P18-19

 6匹の愛猫と“あるがまま”に暮らす住職たち人間家族の日常や、猫たちへの想いを知ることができる、癒し度満点のフォトエッセイだ。

「あるがままに生きる」を配信し続ける長楽寺

 建立400年を超す那須の古寺で、あるがままに暮らしている住職と猫たちの日常は、なぜこれほどまでに多くの人の心を惹きつけ、癒しているのか――。

 その答えは、どれだけ人気になっても“あるがまま”を大切にする姿勢を崩さないからだと、本書を読んで感じた。

 今や、長楽寺はTwitterフォロワー数25万人超え(※2022年5月時点)の有名な猫寺になった。だが、住職は「私は普通に暮らしているだけ」と語る。

“自分も毎日SNSに出てるけど、特別なことは何にもしてないのにって思っています。パンを買ってるだけ。朝ごはんを食べてるだけ。猫にエサをあげてるだけ。ずっと前からおんなじ暮らしです。”

 そんな住職の言葉が無性に胸に刺さるのは、その「普通」や「当たり前」の中に、深い猫愛を感じるからだろう。

“「寺で猫を飼うなんて」って言う人もいるけど、長楽寺では猫がいるのが当たり前、「ありのまま」なんです。”

“猫は家族で、家族はいるのが当たり前。空気と同じで存在を意識して暮らすことはないけど、いないと苦しくなるでしょう。だから空気。”

 当たり前のように猫たち1匹1匹をひとりの家族として尊重し、ありのまま共に生きようとする住職。そんな猫への温かい気持ちが写真や動画を通して伝わってくるからこそ、長楽寺の何気ない日常は多くの人を癒し、笑顔を生み出し続けているのだ。

 本書では、おねえちゃん(長女)が長楽寺の猫第1号である三毛猫・ミー子との思い出を激白しているので、そちらも要チェック。愛くるしい猫写真には、心が軽くなる住職の人生観やおかみ(住職夫人)からの温かいメッセージが添えられているので、力む日常を送っている人も手に取ってほしい。

6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺 P112-113

 また、SNSでは公開されていない子猫期の秘蔵写真が掲載されていたり、ミー子のガイドによる“長楽寺ツアー”が楽しめたりと、他にも見どころがたくさん。

6匹の猫と住職 あるがままに暮らす那須の長楽寺 P96-97

 巻末ページには、切って作れる「長楽寺の朝ごはんペーパースタンド」も。好きな猫を住職の周囲に配置したり、自分や愛猫の写真を使ってオリジナリティのある朝食風景を生み出したりと、楽しみ方は無限大。

 読後、あなたはきっと愛猫と過ごす“普通の毎日”が、より愛しくなる。

文=古川諭香