ゴミをポイ捨てする

道端の自転車のカゴや、リサイクル専用のボックスに、ゴミをポイ！ そんな姿を見てしまったら、百年の恋も冷めるでしょう。

昨今は持ち帰るのが当然のマナーに

「最近、ダンナのカバンから空のペットボトルが出てくるの。家にまで持ち帰らないで、どこかに捨ててくればいいのに」と怒っている奥さん。でも、この奥さんこそマナー知らずであることに、気づくべきです。

　最近、駅でゴミ箱を見かけなくなったと思いませんか？

　以前は駅やにぎやかな商店街、公園など、あちこちにゴミ箱があったもの。ところが最近はとんと見当たらなくなり、東京メトロも駅のゴミ箱を撤去しました。ほかの電鉄会社もすでに撤去、あるいは撤去を予定しているそうです。

　なぜ、ゴミ箱を撤去するのか。理由は「時代とともに使命を終えたから」です。地下鉄サリン事件などから治安上の問題がある、家庭ゴミを捨てる不届き者が増えたから、なども理由の一つですが、それ以上に、電車や駅内で出るゴミが大幅に減ったから、なのだそう。

　最近では、雑誌、新聞を読む人が激減し、飲み物も缶入りよりペットボトルが主で、飲みかけでもフタを閉めれば持ち帰りができるようになりました。持ち帰るのが当然のマナーとなったわけです。

　それだけに、ポイ捨ては以前にも増して、恥ずかしい振る舞いになっています。

　飲み終わったペットボトルを持ち歩くのは面倒だ、と道端の自転車のカゴなどにポイと捨てる人もいますが、これはいちばん見られたくない、みっともない振る舞いです。

　右を見て、左を見て、よし誰も見ていない……。そう思って、すかさずポイと捨てたつもりでも、必ず、誰かが見ているもの。誰かに指摘されたら、なんと言い訳するのでしょうか。

恋人のそんな振る舞いを見れば、熱も冷める

　でも、駅のホームなど自販機のそばには黒いボックスがありますね。あれはゴミ入れではなく、使用ずみペットボトル（あるいは空きビン、空き缶）をリサイクルするための収集用。

　ここにゴミを捨てる人が、後をたちません。

　全国清涼飲料連合会が調べたところ、外出中にペットボトルなど飲料水容器以外のゴミが出た場合、「自販機の横のボックス」に捨てる人はなんと53％。半数以上が、自販機横のボックスに捨てていたというから、言葉を失います。

　実際、ボックスからは飲料水の空きビン、空き缶以外に、コンビニコーヒーやタピオカの容器、レジ袋、食品容器、タバコの吸い殻、本・雑誌のほか、弁当の空き箱、家庭ごみまでが出てくるというから、嘆かわしいのを通り越して呆れます。

　よく見ていると、ほとんどの人がこそこそと捨てていきます。〝こそこそ〞するのは、自分が下品な振る舞いをしているとわかっているからではないでしょうか？

　自分の彼、彼女がゴミ箱以外にゴミを捨てるところを目にしたら、男性の82％、女性の84％が「幻滅する」と答えています。ゴミのポイ捨てにはもっと厳しく、彼、彼女がゴミをポイ捨てするところを見たら、男性の94％、女性の97％が「幻滅する」と答えています。

　一瞬の品のない振る舞いで、彼、彼女を失ってしまう。気づかいのないゴミ捨てで失うものは、そのくらい大きいことをキモに銘じておきましょう。

家庭ゴミを外のゴミ箱に捨てるなんて…

　コンビニのゴミ箱に家庭ゴミを捨てていく……。よく見かける行為ですが、これは、れっきとした違法行為。ゴミの不法投棄は犯罪行為だとご存じですか？

　コンビニのゴミは、燃えるゴミは一般廃棄物、プラスチックゴミは産業廃棄物であり、家庭から出るゴミとは扱いが異なります。捨てたゴミの量にもよりますが、厳密に言うと「威力業務妨害罪」になり、３年以下の懲役または50万円以下の罰金、という重い罪に問われる可能性があるそうです。

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