共感必至のあるあるが満載! Instagramで話題のマンガ『隠れオタク女子の日常』が書籍化

マンガ

公開日:2022/6/4

隠れオタク女子の日常
隠れオタク女子の日常』(石蕗こはな/ワニブックス)

 アニメやゲームなど、特定の何かにドハマりしている、いわゆるオタクは、「推し」を崇めるために、グッズなどにお金を使い、睡眠の時間を削ってでもオタ活をする。本人たちからすれば当然、キツくもなんともなく、むしろ心のオアシスであり、生きる原動力だ。

 本書『隠れオタク女子の日常』(石蕗こはな/ワニブックス)は、周囲に自分がオタクであることを隠している「隠れオタク」の女性たちの日常を描いたInstagram発のコメディ漫画である。

 主人公は、乙女ゲーム好き夢女子・五十嵐ゆう子(ハンドルネーム:いちこ)、筋金入りの腐女子・白河麻衣(ハンドルネーム:シラカワ)、最近2.5次元俳優にもハマり始めた、BL二次創作もしている鈴木愛(ハンドルネーム:スズキ)の3人。

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 彼女たちは、会社などではその趣味を明かすことなく生活しているが、日々のちょっとした会話などでふいに隠した部分が出てきてドキッとしたり、ヒヤヒヤさせられたりすることが。会社の同僚との「休みの日は何してるんですか?」「(ツイッターの)アカウント教えてください」といった何気ない会話であっても、隠れオタクにとっては油断のならない場面である。

隠れオタク女子の日常

 おもにWEBでの“同志”との交流に慣れているがゆえのことで、そこで使う言葉が思わず出てしまう。ちなみに、何を隠そうオタクである筆者も、オタクではない友人との会話中に「そういう言い回しって普通しなくない?」と、本書にあるセリフをそのまま友人から言われたことがあり、びっくりしてしまった。

 しかしだからこそ、同志とともに過ごす時間はかけがえのないものになる。たとえ推しが違っていたとしても、一緒にコラボカフェに行ってそれぞれ推しのメニューを楽しんだり、自分の推しについて語ったり、相手の愛の深さに感心したり。そういう「推しが好き!」というモチベーションを共有できる相手がいる幸せをかみしめると、オタクでよかったと心から思うのだ。

隠れオタク女子の日常

隠れオタク女子の日常

 ほかにも、スマホ待ち受け画面や所持品がどんどん推し色に染まっていったり、推しの誕生日を自分の誕生日より盛大にお祝いしたり、SNSや連絡先一覧の名前が同志のハンドルネームばかりが並んでしまったり……。隠れオタクはもちろん、そうでないオタクにとっても、「ああ、あるあるw」と思わず大きく頷いてしまうネタが満載だ。

 そしていろんなタイプのオタク女子が登場するのもまたリアルで面白い。自分との共通点を探すもよし、友人と似たタイプを探すもよし、とにかくどんな形であれ、少しでもオタ活をしている人なら楽しめること間違いなし! ちょっと生きづらくて、でもとても幸せな彼女たちの日常に、「やっぱりオタクって最高だよな」と思わずにはいられなかった。なお、単行本では加筆修正と書き下ろしエピソードを加えているので、すでにInstagramで楽しんだ人もぜひ手に取っていただきたい!

文=月乃雫