犬のしつけから看取りまで。犬をおうちにお迎えするなら、知っておきたい「犬のいる暮らし」
公開日:2022/6/8
コロナでおうち時間が増えて犬を飼う人が増えたという。犬との暮らしは、やすらぎ、いとしさ、楽しさなどたくさんの「幸せ」を与えてくれる。だが犬は当たり前だが人とは違う動物であり、大切なひとつの「命」。飼うからには責任をもって最後まで面倒を見るのはもちろん、お互いが快適に暮らせるようにルールを教えたり、「ワンワン!」という声、視線、しぐさから出されるサインを理解したりなど、飼い主として努力しなければならないこともたくさんある。
『犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと』(丸田香緒里/池田書店)は、犬と暮らすために飼い主として知っておきたいことがまとめられた1冊。犬との暮らしの初心者もエキスパートも、あらためて読んでおくと大きな安心が得られるに違いない。
著者は獣医師・丸田香緒里先生。「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーに設立したAnimal Life Partnerでは獣医中医師・ペット栄養管理士などさまざまな資格を生かし、病院での診療の他、往診診療ではシニア犬に対して鍼灸治療を行ったり、介護にあたる飼い主の心のケアにも力を入れたりしているという。
「犬の飼育は一筋縄ではいかず、悩みも尽きません。飼い始めで右も左もわからない人、ともに暮らし始めてしばらく経ち、しつけや食事で新たな悩みが生まれた人、これから介護が始まる人。いろいろな状況に置かれた人が、困ったときにパッと本書を開いて、よりベストな答えを見つけられるように、犬への理解を深め、長く幸せに、ともに暮らすためのコツをまとめました」という丸田先生。
本書は犬の生態(体の仕組みや感覚など生物としての特徴など)からはじまり、犬を迎えるときに必要なこと(安全・快適な部屋づくりや迎え方、ワクチンや不妊・去勢手術についてなど)、しつけとトレーニング、遊び方、変化を見逃さないためのケア、長生きのための健康管理、そして最後の看取り方までフォロー。やさしい口調でわかりやすくコンパクト、カラフルなイラストも入ってみやすいので、いつも傍においておけば心強い味方になってくれそう。
ちなみに我が家には10歳のメスの柴犬がいるため、まっさきに高齢犬のケアについてひととおり読んでみた。あまり考えたくないことではあるが、あらかじめ未来の介護を見通しておくのも心の準備になるし、「ああ、こういうふうにやってあげると、あの子も気持ちいいかも」と新たな発見もいろいろ。若い頃のケアについても「これ、やってあげられたらよかった…」と思うこともあって反省。とはいえ、まだまだこれから! と、今からでも本書のテクを実践してみようと思う。
20年くらいという限られた時間だからこそ、最高にハッピーな犬との暮らしにしたいもの。なんといっても「うちの子になったのは最高にラッキー!」とワンコ自身に思ってもらえるために、飼い主のみなさん、本書でさくっとコツをさらっておきましょう!
文=荒井理恵