ダイエットの常識が変わる!? 「1駅分歩く」は効果なし? ダイエットの31の法則
公開日:2022/6/21
暑さを感じる季節は肌の露出が増え、どうしても自分の体形が気になってしまう。体をすっきりさせたい…と思うも、「どうせ、また失敗するだろう」と二の足を踏んでしまうのは、あるある話だ。
だが、そうしたダイエットの失敗は単に、「選択」を間違えていただけかもしれない。『やせるのはどっち? 理想の体が手に入る「失敗しない」31の法則』(中野ジェームズ修一/飛鳥新社)は、そんな気づきをもたらす読むパーソナルトレーニング本だ。
著者は、青山学院大学の駅伝チームやオリンピック選手、芸能人のトレーニング指導も行うトレーナーの中野ジェームズ修一氏。本書ではイラストを用いて、ダイエット中の「正しい選択」を2択問題の形式で紹介。
全31問のダイエットクイズを通して、ダイエットの「正解」を学ぶことができる。
「1駅分歩く」と「駅では必ず階段を使う」はどっちがやせる?
少しでも体重を落としたくて、簡単な運動を日常に取り入れたいと考えている人に出題したい。次のうち、ひとつだけ行うとしたら、あなたはどちらを選ぶだろうか。
会社帰りなどに1駅分歩くことを習慣にしている人は多いかもしれないが、実は選ぶべきはBの「駅では必ず階段を使う」。
なぜなら、体を変えたいのであれば、筋肉の組織を壊すほどの強い刺激(負荷)を与える、強度の高い運動が必要だから。平地を歩ける体力のある人にとっては、たった1駅歩くだけでは日常の動作の範囲内で運動にはならないのだそう。
対して、一方の脚だけで体重を支える階段の上り下りでは下半身の筋力アップが可能。消費カロリーはなんと、ランニングとほぼ同程度なのだとか。
体力に自信がない人はまず、ビルの5階に相当する階段を毎日、上り下りするところからスタートしてみよう。その際は一気にクリアしなくても、1日の合計が5階分になっていればOKとのこと。
常にエスカレーターやエレベーターを使っている人は、明日から「階段を使う」という選択をしてみてはいかがだろうか。
低カロリーの食事ならキレイにやせられる?
ダイエット中は、食事にも気をつかう。では、こちらの選択肢のうち、どちらを重視したらよいのだろうか。
正解は、Bの「何を何回食べたのか」だ。
ダイエット中は低カロリーなものばかり選んでしまいがちだが、実は特定の食べ物ばかりを摂り続けることはストレスやリバウンドの原因に。体を作る材料が足りなくなり、不健康なやせ方となってしまうのだそう。
あらゆる栄養素には役割があり、偏らずに食べることで初めて働くため、健康的にやせるには食べてはいけないものを決めるより、「何を何回食べたのか」を意識し、バランスのよい食事を心がけることが大切なのだ。
そのために著者は、「1日14品目をコンプリートする」という食事法を推奨。ルールはたった2つだ。
①14に分けた品目にあてはまる食材を、1日1回食べる
②穀類は1日3食必ず食べる
これを実践すれば、過不足の品目を考えるクセがつき、自分に必要な食品が見えてくる。
ちなみに、面倒くさがりな人や献立を考える時間がないという人は「ご飯+おかず1品+具だくさん味噌汁」で完成する一汁一菜がおすすめとのこと。
ポイントは米(炭水化物)をしっかり食べること。恐れずに茶碗1杯は食べ、健康的にやせていこう。
運動の順番で脂肪燃焼効果が変わる!
今よりも効率的にやせるには、運動の順番を意識することも重要。
このクイズの正解は、Bの「筋トレ→有酸素運動」。その理由は筋トレによって分泌が促される「成長ホルモン」と「ノルアドレナリン」にあるという。
成長ホルモンは組織や細胞の成長に関わる働きをし、脂肪分解の役割を担う酵素「リパーゼ」を活性化させるそう。一方、ノルアドレナリンは副腎髄質から分泌され、交感神経の活動を高め、脂肪を分解する働きをする。
だから、筋トレで成長ホルモンとノルアドレナリンをできるだけ多く分泌させ、「燃えやすい体」を準備してから有酸素運動を行うと、脂肪燃焼効果が高まるのだとか。著者はおすすめのトレーニング法を、イラストで紹介している。
本書にはダイエットに挑むうえで持っておきたい、心が楽になる「考え方」も収録されており、挫折も防いでくれる。「やせる」ってこんなにも簡単だったのか…という嬉しい驚きを、ぜひ得てみてほしい。
文=古川諭香 イラスト=斉藤ヨーコ