芸術と政治をめぐる対話
芸術と政治をめぐる対話 / 感想・レビュー
doji
芸術の規定の枠組みを破壊することで語ろうとするボイスと、ことばと物語の視点から丁寧に積み重ねて話そうとするエンデ、そのふたりがスリリングにぶつかり合い、ときに同調し、その連続の中で論が進んでいくのがなんとも緊張感がある。なによりボイスは雄弁だし、エンデは腰を添えてじっくり考えるタイプなのがわかる。シュタイナーやシラーを引き合いに出しつつ、資本主義についての深い洞察が語られるので、ついていくのに必死だった。当時もきっとこの対話が行われた会場では、ふたりの才人のことばの応酬に呆気に取られたんだろうなと思う。
2021/07/24
びす子ちゃん
ふたりとも経済の問題・資本の問題を強く意識し、そして人々の無意識の意見を重視するいっぽう、エンデは芸術家の作るきっかけという始点を重視し、ボイスは人々の語らいとそれで生まれる行動という終点を重視する。語らいに任せすぎるボイスに対し、エンデは具体的な方向性を求める。エンデは心とイメージを重視し、ボイスは社会を、その造形を少しでも、おそらくその手で変えることを重視する。エンデの言葉は落ち着いてしっかりした土台を思わせ、隙がない。ボイスの言葉は跳ね回り、レトリックにまかれてしまうような感覚もあるが、心を刺激し、
2017/02/16
土田
それぞれ(主にボイス)が主張するばかりでほとんど全然噛み合ってなくて退屈だったけど、たまに対話が成り立ったときのドライブ感は良かった。
2021/03/19
Masaki Sato
だれもが社会という芸術作品を作る芸術家というヨーゼフ・ボイスと芸術家は数ある職業の一つとして新しいライフスタイルを提示する役割というミヒャエル・エンデの対談。議論は平行していてついていくのが精いっぱい。。
2020/07/06
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