作文のなかの大日本帝国
作文のなかの大日本帝国 / 感想・レビュー
印度 洋一郎
戦前、日本が支配した満洲や朝鮮、南洋諸島で日本語教育の一環として行われていた作文(当時は「綴り方」と呼ばれた)から、大日本帝国の言語政策を検証する。言葉は思考の発現なので、日本語を学ぶということは、取りも直さず日本の価値観を受け入れるということだった。植民地の少年少女達が、「日本語を上手く話せるようになりたい」とか「お兄さんが兵隊さんになって、私は嬉しい」とか、どういう気持ちだったのだろう、と考えると複雑な気分になる。今の価値観で図ってしまうのは、危険なことなのだが、つい考えてしまった。
2012/06/09
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