読書のデモクラシー
読書のデモクラシー / 感想・レビュー
Gotoran
詩人であり、読書の達人長田弘氏。数多の書物から「読む、聞く、考える」に類別、心に響き、記憶に残った言葉を詩情豊かな感性で紡ぎ出す。平易な言葉だが、広範多岐に亘り、示唆に富み奥深い。【Ⅰ読む】の「寓話」から、ジャンジオノ『木を植えた男」の主人公エレゼアーゼ・ブッフィエの挿話、【Ⅱ聞く】の「ふだんの言葉」から、ボードレールの言葉”コレスポンダンス”(万物照応)の意味合いへの言及、【Ⅲ考える】の「第二の歴史」から、“ボニーとクライド"の(懐かしい)映画『俺たちには明日はない』への展開、他。
2017/05/20
ふん
「一枚の紙はすでに二ページなのだ」こんな、読んだ瞬間に脳を暖かい親指でやさしくもまれるような言葉にはなかなか出会えない。手紙と電話の言葉はちがうと思うけど人間がどう変わったのか今確かめるには本を読むしかない気がする。現代のチャットの言葉についてはどのように考えておられたのでしょうか。
2019/05/02
ken
筆者が詩人として言葉を大切にし、読書に対する誠実な姿勢を持っていることが伝わってくる。加速する消費社会の中で、「ブランドとしての作家」を消費するだけの読書が蔓延していて、読書が単なる記号の消費になってきている。言葉とは世界の見方であり、言葉を豊かにすることは世界の見方を豊かにすることに繋がる。本来読書とは自身の言葉を獲得し自身の字引を豊かにする経験でなければならない。そして本とは作者と読者が出会う場でなければならず、その対話の中で世界の見方を広げる経験が読書という営みなのだと思った。
2016/11/06
エリンギ
偶然、古本屋で出会った本。「本」という小見出しのついた最初の5行で射ぬかれました。読書案内というよりは、エッセーのような感じ。さまざまな「お題」について長田さんが語る中で作家や作品がぽんぽん飛び出してくる。本という共通の場所に、読者であるわたしを引き込んでくれた。馴染みある作家についても興味深いことを多々言及しており、何度でも読みたいと思う本だった。
2011/03/24
れんげ堂
「読む」「聞く」「考える」に分かれて、偉人たちの言葉がたくさん出てくる。難しく、最後までなんとか辿り着けた。解らないながらも、また、読んでみたいと思う。
2020/10/14
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