夢のボロ市: 真夜中に小声でうたう
夢のボロ市: 真夜中に小声でうたう / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
エンデの詩集。これはお勧め。エンデの小説と同じように機知に富んで、時にユーモラスで時に残酷、優しさや痛切なノスタルジーにあふれて、胸の中を心地よく掻き乱してくれる。根底にあるのは、この世界で、四苦八苦してなんとか生きている人たちに対する応援の気持ちだ。最期まで読むとそれが痛いほど伝わってきて、胸がじーんと震えた。日本の現代詩のように分かりにくいところは、ほとんどない。メロディーをつけたら、素晴らしい曲になるだろう。というか、メロディーがなくても、温かな音楽が聞こえるような気がした。
2017/06/18
アナーキー靴下
エンデによるリート(ドイツ歌曲)の詞集。詩のようだが、もっと身近な、繰り返し口にしたくなるような言葉の数々。コミカルなものや恋愛を詠ったもの、風刺的なものなど、バラエティー豊か。ナチス時代を経て、この作品が刊行されたのはまだ東西ドイツだったことを思うと、歴史の重みと文化のかけがえのなさを感じる。初読(高校生)のとき好きだった「紙の悲劇」は本当に切なくて今も好き。「この薄くて黒いひとひらの燃えかすが愛だった、そして紙だった。この薄くて黒いひとひらの燃えかすが!」
2020/10/23
マリカ
エンデのソングブックです。所々に手書きの楽譜が載っています。ユーモアにあふれ、ときに陽気でシニカルなリート(歌)がたくさん。「思い出」、「空飛ぶ夢」、「別世界の歌」が好きです。「別世界の歌」は「モモ」に通じるものがある気がします。〜そして君は胸に手をあてる。どうして忘れられ、どうして信じられていないのか。ひとはいつも鳥のように自由で、ほんとうは飛ぶことができるのに〜(「空飛ぶ夢」より)
2012/03/03
ヒースの丘
母が持っていた古い本です。エンデの詩はファンタジーな語り口の中に社会風刺的な皮肉っぽさ、批判、悲しみが綴られていました。けどそれだけじゃなく本当に大切な物は何かと問いかけ、ダークながらも未来に希望を託すような作品です。mybibleと言っても過言ではないほど影響を受けた詩集です。怪しい絵も最高。
TOMO
鎌倉の小さな古本屋さんで見つけた古い本。あまりに嬉しくて、あまりに素敵で、何度も何度も読んでしまう。リートらしいファンタジーな口調とリズム感、その中に見え隠れする明るい光と皮肉のような影。いかにも、エンデらしい。大好き。
2012/08/16
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