感受性の領分
感受性の領分 / 感想・レビュー
Gotoran
『世界は一冊の本』で知った長田弘氏。本書は、52編の項目からなる表題『感受性の領分』と「神の派遣したスパイ」の2編のエッセイを収録。詩人ならではの豊かで奥深く研ぎ澄まされた感受性で、身近な些亊から場所、街、書物、著作家などについて、瑞々しく語る。洞察に満ちた言葉は、示唆に富む。「あとがき」から、「意味をあらわすと同時に、態度をあらわす。考えをしめすと同時に、考えかたをしめす。言葉というものを、いつもそういうものとして感じてきた。・・」著者の在り方に共感・共鳴した。著者他作品をもっと読んでゆきたい。
2016/10/16
tharaud
長田弘のエッセイが好きだ。いまは忘れられた人々の言葉を見つけ出し、日常になじむかたちで蘇らせるのは、さすが詩人だ。中江丑吉も木下杢太郎も穂積陳重も内山完造も、みんなこの人が教えてくれた。
2024/05/06
きくらげ
読み進めるうちに自然と心を覆っていた薄皮がぱりぱり剥がれ落ちて、剥き出しになった心の目で見渡す日常の光景の美しさに思わず息を呑む。未来でも過去でもない「今」この瞬間を、地に足をついて生きているということを実感させてくれる良本。
2013/12/13
ソニックゆうすけ
詩人のものの見方。月並みだが言葉や物事の考え方を大事にしている。 383つの動詞「新しい知らない言葉というのは、そのほとんどが、ただ新しい名詞ばかりなのだ。」 色々なテーマについて書いているけど、最終的にこの本のタイトルはあとがきに集約されている気がします。
2020/04/22
ANE
読むと気持ちが静かになる。ざわざわしたり、嫌になるものを、無理に最後まで読まなくてもいいんじゃないかな、と最近思った。いい気持ちになれる本を、ゆっくり読んだらいいんじゃないかなと。ライフイズ、ベリーショート、とポールは歌ったし。
2019/03/13
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