顔をなくした女: わたし探しの精神病理
顔をなくした女: わたし探しの精神病理 / 感想・レビュー
あじ
守秘義務の砦の中に建つ、精神科クリニックを舞台にしたノンフィクション。大平医師に助けを求め、病める患者がひっきりなしに駆け込んで来ます。鏡に映らない顔を持つ人、上人の生まれ変わりだと信じている人…千差万別の病例があることあること。病んだきっかけ、治癒の手掛かりは過去にありと、大平医師は気長にカウンセリングを施し、患者と駆け引きしながら鉱脈を掘り当てていくのです。まるで臨場した刑事の気分で、ミステリーを読まされているような感じ。二十年前の書籍ですが、色褪せない面白さが光っていました。
2016/07/03
えっ子
法月が紹介していたので読んだ。もともと興味があった。私の思考と全く違う思考を持ってる人たち…(?) でも一つの言葉にこだわったりそれがすべてを説明したり感覚で話しているから言葉が抜けていたり、他にも諸々ワケわかんないとこがあったりするが、この医師にはしっかり聞き取ればいつかなにかがわかる可能性があるんだと思った、精神科っていうのはただ数行の相談内容じゃ全然わかんないんだろうな。確かに本格ミステリ風としても読めると思うし、すごく興味深かった。
2018/05/16
麻生
なんでもミステリとして読んじゃう腐れミスオタもニッコリ。全部面白いけどやはり最後の「偽患者の経歴」が秀逸。二村ヒトシ氏の「全てはモテる…」から「なぜあなたは愛して…」の構成はこれを下敷きにしているのかな?
2023/08/02
Z
良書。
2013/03/25
まぐろ
近所の古本屋さんにて100円で購入。精神科医の患者さんたちのお話でノンフィクションらしい。顔がなくなったと訴える女性をはじめ、様々な症例について語られている。著者の深入りするでもなく、少しだけ好奇心を持って患者を診る視点は読んでいて受け入れやすい。こういう系統のものの中でもかなり読みやすい部類に入る気がする。結構面白かった。
2013/03/18
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