性愛論
性愛論 / 感想・レビュー
ハヤカワショボ夫
以前から積読していた本。人はなぜ愛するのか。この疑問に答えるため人間の愛やセックスを考察する「性愛論」を社会学的に検証してます。性愛世界は人間が互いに身体と出会うところであったが、言語や権力に基づく公共世界から隔てる半透明の被膜として猥褻現象が存在しました。しかしこの分離は完全でなので人間は愛の言葉や婚姻に縛られたりします。近年の性の解放は西洋で神学の一助であり、目的が異なったまま日本に移入されて専ら性愛を強化するための技法として定着しました。この結果、生じた混乱に我々は巻込まれているのです。【家】★★★
2016/02/03
まあい
「猥褻とは何か」に関する理論的考察(第一章:猥褻論)、規範としての性別が維持されるための条件(第二章:性別論)、人間が他者を性愛の対象とする手順に関する考察(第三章:性関係論)、近代的な性愛倫理をキリスト教の歴史をたどりながら描写(第四章:性愛倫理)、戦後日本の性愛倫理(第五章:性愛倫理の模像)、といった内容。非常に説得力のある考察に満ちていて、品切れになっているのがもったいない名著。復刊すべきだと思うよ。
2015/07/20
seek
猥褻現象についてが興味深かった。人類は猥褻な表徴を「性愛領域」として区分しており、そこに価値を見出すことで「夫婦」が生まれる。公共/性愛を分けることは人の文化である。どこでも下ネタを言ってはいけない理由は、人の文化の否定だからだ。
2012/09/17
かとう あき
性と愛の分離についての言及が面白かった
2012/03/25
jyocho_hiseisan
まあそうかもね
2019/04/08
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