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戦後を戦後以後、考える: ノン・モラルからの出発とは何か (岩波ブックレット NO. 452)

戦後を戦後以後、考える: ノン・モラルからの出発とは何か (岩波ブックレット NO. 452)

戦後を戦後以後、考える: ノン・モラルからの出発とは何か (岩波ブックレット NO. 452)

作家
加藤典洋
出版社
岩波書店
発売日
1998-04-20
ISBN
9784000033923
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戦後を戦後以後、考える: ノン・モラルからの出発とは何か (岩波ブックレット NO. 452) / 感想・レビュー

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nbhd

薄いブックレットなのに濃ゆい中身だった。ため息が出る。日本の戦争について、戦後生まれはどう向き合えばいいのか?加藤典洋さんは「いや、オレは関係ない」からスタートするのがよい、と言い、ヒトを2層(①「原⁻私」、②「社会化された私」)に分けて、説明する。いくら平和や民主主義が大事とか言われて実践しても、それはもともと外からの押し付けなのだから、戦争を経験していない「原⁻私」のものにはならないので、無理が生じる(加藤さんは、全共闘世代を例に挙げている)。

2021/04/20

Bartleby

私的な部分を無視して公的な問題を論じるのには確かに違和感がある。そこであえて「自分には関係ない」というイン・モラルの立場を引き受け、そこからスタートすることが「世界を引き受ける」ことにつながるという発想は興味深かった。イノセントの話もそれ自体の評価はしかねるけれども、その方向性は共感できる気がする。ただ、「関係ない」と言ったあとに「じゃあどうすれば関係するのか」と考えようとする人はどれくらいいるのだろうとやはり思ってしまった。後半の『銀河鉄道の夜』の解釈は面白かったです。

2011/11/22

時雨

1998年4月初版、前年末の著者の講演に大幅な加筆・修正。/日本の戦争責任に関して、元慰安婦・南京大虐殺・731部隊など「定番」にばかり社会的関心が寄せられる不自然な状況を、著者は「喫茶店の二階から客を入れるようなもの」と指弾。そして戦前のアジア侵略について「オレには関係ない」と責任の引受けを拒むかに見える若者たちの機序を解き明かし、否認により社会と向き合うところから戦争責任の主体的な継承が始まると主張する。70頁程度の薄い冊子だがそれなりに手こずった。このタイトルだが歴史の叙述はほとんどないので注意。

2023/08/08

v&b

「つまり、シューティング・スポット(狙撃地点)とは、自分からは相手が見えて、相手からは自分が見えない場所のことを言う。これと同じことが思想についても言える。ものを考える上で大切なのは、むしろ自分を狙撃される位置、ハチ公の位置に立たせることだ。そうでないと、その『考えること』は、結局その人自身の身にならないだろう──。」

2019/07/06

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