源氏物語 (古典を読む 14)
源氏物語 (古典を読む 14) / 感想・レビュー
maekoo
国語学界の第一人者大野晋名誉教授が著された源氏物語専門家の目からは見逃しがちなこの物語の本質を鋭く突いた目から鱗の論文集です! いわゆる、紫の上系、空蝉・末摘花・玉鬘系、女三宮系、宇治系で4分別した物語造型論を原文や紫式部日記等の資料を基に新たな視点で論じていて、作者がその部分の執筆時はどんな心理状態だったか又何故その様な描き方をしたのかが深く読み解ける事が出来ます! 今までの常識としての固定観念的な源氏物語の見方を改めさせてくれる素晴らしい名著で研究者やこの作品からの創作を考える人は読むべき書! →②
2023/01/15
Waka
読了したのは今回が3、4度目くらい。論理が明快で、裏づけもしっかりしており、独特の論旨の数々に説得力がある。八の宮を“桐壺帝の異母弟”とした1箇所のみ誤植に気づいたが(事実は光源氏の異母弟)、ほかに疑問を持つところはなかった。読み方のひとつを提示したのみ、と謙虚な執筆姿勢だが、研究論文、研究図書として十分胸の張れるものだと、読むたびに頭が下がる。研究者にも読んでほしい。文章量に圧倒される方にも、ぜひ読み進めてみてほしい。初学の方より、ある程度『源氏物語』に馴染んだ方のほうが、より楽しめるかもしれない。
2018/10/27
のんき
岩波現代文庫版入手につき、こちらは処分。
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