行人 (ワイド版岩波文庫 305)
行人 (ワイド版岩波文庫 305) / 感想・レビュー
扉のこちら側
初読。2015年64冊め。集英社文庫と並読。2009年発行で名作を若者にも読みやすく、と一部仮名遣いなど丁寧に直されている。字のサイズ等も読みやすい。
2015/01/23
小川一輝
「こころ」に至るまで様々な性質/属性/問いの分裂/統合/整合があったとは高校生の頃には想像もしていなかった。自然の倫理と人間社会の倫理の衝突。趣味/生活、理性/情緒などの対立をいかにして乗り越えるか。『門』で与えられていた宗教という道がここでも示されてはいるが、『こころ』を考えるとその道に漱石は進まないのだろう。そのような問いもどこか虚しく思えるのは漱石の小説に私が惹きつけられるのは登場人物の会話に滲む漱石一流のユーモア/ペーソスだからだろう。このプロットの先にはその漱石最大のチャームを捨てることでしか到
2016/07/07
ロバーツ
現代に通じる苦悩を描く。
2023/01/23
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