大導寺信輔の半生 (岩波文芸書初版本復刻シリーズ)
大導寺信輔の半生 (岩波文芸書初版本復刻シリーズ) / 感想・レビュー
ねてた
芥川龍之介にしては珍しい私小説であり、太宰治の「晩年」のような暗さと重さ、そして何より才能への自負を感じた。短い作品ながらも機智と文才がほとばしっている。しかし、終わりは唐突であっけないものでありその点が気になった。おそらくこの作品はもともとは長編を志して書いたものであり、その挫折の結果があのラストだったのだと思う。そうした奥行きと相成って、ラストのシーンはとても印象に残っている。
2015/03/18
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