暴力の連鎖を超えて―同時テロ,報復戦争,そして私たち (岩波ブックレット 561)
暴力の連鎖を超えて―同時テロ,報復戦争,そして私たち (岩波ブックレット 561) / 感想・レビュー
kenitirokikuti
図書館にて。2002年2月刊行の岩波ブックレットで、その前年11月に行われた「憲法再生フォーラム」発足講演会の記録である。同フォーラムによる4冊目『改憲は必要か』(岩波新書、2004年)を先に読んだときに誤認したが、契機は911ではなく、憲法調査会設置(1999年改正国会法による)▲同フォーラムの代表のひとりに加藤周一、会員のひとりに井上ひさし(2001.10)。両者とも00年代の内に没。ほか、会員で文学関係は『世界』編集長岡本厚、近現代国文学の小森陽一。
2023/09/23
壱萬参仟縁
自民党が提起している国防軍。自衛隊から軍へ。その前史は防衛庁から防衛省に格上げした時点で軍縮に反する動きだと思った。平和のために暴挙にならぬための歯止め効果を憲法や9条に求めたわけだが、これを変えるという勢力が支持されてしまっては、軍縮にはならない。人間の安全保障も守れない。本著も新政権の動きが急になれば、書き換えてでも読者に軍縮や平和憲法の維持を意地でも訴えてほしい。そうでないと、この新政権は暴挙に出る可能性が否定できないほど、評者は怯えるしかないからである。平和ボケしている、選挙棄権者の代償は大きい。
2013/01/06
D.Okada
「憲法九条のもとで、『軍の独走』に再度道を拓こうとするかのようにして、はるばるインド洋にまで向けて、米軍支援のために戦時出兵が強行されています。それも『すっきりとした法律的一貫性、明確性を問われれば、答弁に窮してしまう』(小泉首相、2001年10月9日衆院予算委)としつつ、憲法論抜きの「常識論」で決定されています」。人類の蓄積による〈ルール〉と為政者たちのいうところの〈常識〉の乖離というものを改めて実感した。
2010/09/04
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