つくられた自然
つくられた自然 / 感想・レビュー
ハチアカデミー
自然がどのように見られ、認識され、語れれるのか。写生文は「ありのままの自然」の描写を目指したが、その眼差しは社会的/文化的フレームから逃れることはできない。その枠がどのようの構築されてきたのかを問うことが、本書全体の主眼である。欧米におけるピクチャレス/サブライムの発生と広がり、日本における風景の発見と国木田独歩をはじめとする自然主義文学が見出したもの、をめぐる論考が多い。米文学におけるハンター神話を考察する折島論、自然という他者を描くという行いの問題点を提示する野田論からは多くの論点を得ることができた。
2015/01/18
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