ネイションを超えて
ネイションを超えて / 感想・レビュー
irai
統一的な〈国語〉形成は、近代ナショナリズムのひとつの性格だ。美しい言葉遣い。言語の純化は全体主義/帝国主義/植民地主義的なのだろう。このとき、ある種の文学はそうした〈国語〉形成から逸脱しようとする。だが、言語がそうして統一性から逸脱することは、人間とその社会を不安定にするだろう。変化をどう乗りこなすか。また、本来逸脱したものだった文学も、後になって〈国語〉形成のために利用される。テクストは容易に固定されてしまう。だから、テクストを縛らない読み方、そして人間を縛らない書き方が欲しい。
2014/07/30
感想・レビューをもっと見る