グロウブ号の冒険――附 ユートピア諸島航海記
グロウブ号の冒険――附 ユートピア諸島航海記 / 感想・レビュー
湖球
安野光雅装丁、井上ひさし著、岩波書店刊、役者揃踏みの本に胸を躍らせ読み始める。話のスタートは東大出身の力士、山田山が親方の命を受けて弟子スカウトの旅行中に、嵐に遭遇しある孤島に投げ出される。山田山が巻き込まれたのは今はなき海賊船『グロウブ号』に纏わる宝探し。設定内容が突飛ながら奇想天外な事件とおかしな登場人物による「ズレ」が愉快でそれがまた現代社会を風刺しているのか? 未完の作品で結末は各読者に委ねられるが、海に眠る財宝を巡り一攫千金に命を賭ける男たちの戦いに心躍る海洋冒険小説です。
2016/11/21
読書国の仮住まい
ボリューム 表題作と発想の元となった『ユートピア航海記』2編収録 十分一冊分の分量がありながら未完 世界観 近眼により相撲を引退した元関取が、世界に力士をスカウトするため船旅に出たところ、不思議な島に辿り着く。 そこで聞いた不思議な歌が宝探しのヒントになっている。 それを探しに行く、というところで中断。 挿絵 安野光雅、一目の価値あり 補足事項 途中行数を稼ぐ描写があるが、だったら完結させられなかったか? 個人的に一度始めた物語を完結させてこそクリエイターだという考えであるため、あまり高く評価できない。
2021/05/16
たかむー
未完を承知で読み始めたが、、ここで終わるか~笑 だいぶ前に書かれたものだし、未完というより、あえてここで終わったのか?という気もする。東大出身の元力士山田山が、カリブの宝探し騒動に巻き込まれていくお話。テンポが外国文学チックで日本人が書いたんだよね!?と何度か確認してしまった。井上さんの他の作品も読んでみたい。
2013/07/25
クーちゃん
20年以上前に書かれた未完の小説です。当時の著者は50代ですから、今の僕と同じです。著者の人間社会(日本社会)に対する風刺が若い感性で描写されているなあと感じました。結末を読めなかったのは残念です。
2011/12/28
siopop
カリブの海賊に幽霊船に宝探し、楽しい内容がテンコ盛りな小説です。 唯 惜しむらくはこの小説は未完なのです、いよいよ宝の謎が解かれるか? と言う所で小説は終わってしまいます。 読み始める前は未完の小説だって面白ければ良いじゃないかって思っていたのですが、イザ読んで見たら、う~ん これで終わってしまうのか~ と、かなり消化不良な気分です。 この後宝探しはどう決着するのか?大体宝の実態は何なのか?とても気になります。
2012/10/15
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