広告論講義
広告論講義 / 感想・レビュー
kana
最終章「広告の明日」での言及【この100年どころか、1000年前から、いや、もっと大昔から広告は何ひとつ変わってないし、これからも変わらないだろう】という至言が20世紀の広告の在り方を振り返ってきたからこそ響く。大衆向けマス広告(からの個人最適化ネット広告)が当たり前の時代を生きてきたからこそ、20世紀初めのパリ万博や大正時代の日本での消費者向け広告の興りが非常に新鮮に感じました。全体を通じ人類普遍の広告的な営みと現代の技術革新によるメディアの変化のダイナミズムに圧倒され、読みやすくも考えさせられる1冊。
2021/08/09
Kazumasa Kawate
数年前、講演後に面会を求め、わずかな時間で取材させていただいたことがあった。圧倒的な知性。それと、権力に対する〝批評〟精神。何が真実で、何が虚構か、書かれている。テレビについて語るときのアポロ月着陸のくだりは素晴らしい。
2012/07/26
芸術家くーまん843
創元社、博報堂などを経て、1979年に「広告批評」を創刊、コラムニストとして活躍中の天野祐吉氏が、20世紀の広告を振り返った名講義の単行本化。発行された2002年以来、ロングセラーとなっている本ですが、読んでみて、その意味がよくわかりました。<大量生産・大量消費・大量流通という巨大な歯車をまわしてきたのは広告であって、その働きなしにはいまのような大衆消費社会というのは成り立たなかっただろう>とのっけから鋭い視点を披露し、その幕開けとなったパリ万博を取り上げて論じています。著者によると、<広告が売るのは、基
2013/01/25
tamu_meter
パリ万博やヒトラーなども例にとり、広告とは何か、広くあまねく解説した広告論の入門書。 広告とは、「時代を映すジャーナリズム」との内容が、とてもおもしろく感じた。カップヌードルの「ハングリー?」にしても、優れた広告は、商品だけでなく時代を批評している。
2012/07/19
ショーリ
天野さんが明治学院大学の国際学科で行った講義を本にしたもの。激動の20世紀を広告からのぞいてみようという趣旨で話は進む。この本を読んで思ったのは、糸井さんの本のタイトルにもなってるけど、「世の中、ぜんぶ広告なのだ」ということだ。
2011/12/30
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