言葉の降る日
言葉の降る日 / 感想・レビュー
もりくに
信州岩波講座に内田樹さんを聞きに行ったら、彼の立て板に水の「大風呂敷」の話も面白かったが、加藤典洋さんのトツトツとした話も、印象に残った。この本は、彼が大震災後、なくした多くの親しい、大切な人の話を中心に編まれている。深い影響を受けた思想家としての、吉本隆明さんと鶴見俊輔さん。そして友人の鷲尾健也さん(歌人の小高賢)。初めに、柳田国男の「先祖の話」に触発されて、先の戦争を、大震災を、日々の生活の中での出来事を、「死者をもつ」という経験を経てつなぐ。それは、どんな死も同じだという想いに、私たちを誘うからと。
2017/10/10
pirokichi
2011年の震災のあと大切な人を次々と喪った著者がそれらの人々について書いた文章などを集めた一冊。私には難しかったけど、とてもよかった。うまく言えないけど、著者の心の奥処にある熱さ、さみしさみたいなものを感じた。鶴見俊輔さんはとても興味深かった。書くって考えるより範囲が少し広いんだ…。河合隼雄さんの「読書は「ストック」でなく、本来、本に流れているもの…「フロー」にふれることなんだ」にはハッとした。2013年には事故で息子さんを喪った著者。その時支えてくれた鷲尾賢也さんへの弔辞には胸が締め付けられる。
2020/11/08
Nobuyoshi
加藤典洋(のりひろ)さんの本は、比較的読んでいる。 「口調」が私の体質に合うからでしょう。 言っていることにはほとんど異議はありません。息子さんを事故で亡くされて無念なことでしたでしょう。
2017/01/25
v&b
一部
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