3.11――死に神に突き飛ばされる
3.11――死に神に突き飛ばされる / 感想・レビュー
百太
タイトルと表紙デザインで手にしました。中身については、微妙なエッセイです。村上春樹について書かれている事がちをっと興味をひきました。
2017/03/25
ころこ
数年前に一度読み、今回読んで意外な印象を受けたのは、著者の文章が「文学的」ではなかったというものでした。著者は、初期の文芸評論をはじめ、中野重治、吉本ばなな、村上春樹などの小説を文芸評論として論じてきました。他方、靖国問題や戦後の歴史観などの社会への関心も、著者の語り口にある「ねじれ」の感覚が、文学として機能するという独特の回路を開いている稀有な文章として注目してきました。初読のときは、今回のテーマである3.11直後の著者の関心の在り様として読んだのではないかと思います。再読では、議論の行方は度外視した加
2018/02/16
寛生
斬新なタイトルとカバーの装飾に魅了されて購入したが、著者の強い自己愛のにおいにたまらなくなって読み進めるのが困難な前半だったが、後半から注意深く議論を展開されているという印象も持った。しかし、それでもかなりの重複がある。エッセイ集とか、何とか、最初に読者に断るべきで、学者の本としては少し残念である。これといって革新的な提案をしているわけでもないし、原発などに独自の立場を明確にしているわけでもないが、丁寧な議論の展開には注目に値するだろうと思う。
2013/08/22
壱萬参仟縁
死神=放射能。絶望感、悲愴感、孤立感(26ページ)。評者も、福一原発の絶望的な未来に「ぁ~ぁ」とため息をつくケースが増えてきたのは誠に残念無念。日本が世界の一員であるとの意識を強めないといけないという(43ページ)。アルジェリアでの悲劇が伝えられるが、日本人がなぜ恨まれているのか、自省が必要。アメリカの言いなりという面で。残念なのは、寺島実郎氏や立花隆氏が原発維持派との由(78ページ)。人間は万能じゃない。忠臣蔵症候群(零から新価値を創造し、行動力を組織するのが苦手で、政治がダメ)とはな(168ページ)。
2013/01/20
ophiuchi
核燃料リサイクル計画を破棄し、使用済み核燃料処理に道筋をつけ、必要最小限の安全性の高い原発を稼働させ、再生可能エネルギーの開発にリソースを集中するべきという私の考えとほぼ一致する内容だった。安倍政権になってから原発推進派の巻き返しが顕著だが、次世代に負担を先送りしようとする人達を何とか食い止めねばならない。
2013/03/04
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