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精進百撰

精進百撰

精進百撰

作家
水上勉
出版社
岩波書店
発売日
1997-02-20
ISBN
9784000233156
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精進百撰 / 感想・レビュー

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たまきら

図書館放出本。「きらちゃん好きでしょ」と夫。好きですよこの本。昔彼の本はすごく読んだもの。毎日新聞に連載されていた彼が動けなくなってから竹紙に描いた絵と随筆を思い出した。生き様すげえ。ここまでやるのかよ?と当時の自分は思った。哀れんだり。今はピュアにすげえ、このじいさん!だ。様々なものを経験し、選択し、たどり着く生と死。食はだから尊くも嘆かわしくもなる。久々に読み返して、自分も変わったんだなあ、とじんわり。嬉しかった。

2017/09/26

マッピー

心筋梗塞で心臓の三分の二が壊死した状態で、長野の山荘で畑を耕し、自ら調理し過ごす日々。そのような生活を送ることになった理由は、病院の料理が豪勢過ぎたから。(特別室だからね)薬漬けで自分の心臓を医者に預けるような生活が嫌になった、と。山荘の生活をはじめて長く健康に過ごせるのだから、人それぞれにあった生活ってあるのだなあ。精進料理とはいえ、揚げ物が多いのにびっくり。だけど肉や魚を食べないのだから、揚げ物のカロリーくらいは特に問題ないのか。出汁をとった後の昆布を梅干しと煮詰める。これは作ってみようと思った。

2022/05/22

さっちも

ほんまに楽しい本。こういう本にありがちな文化人でござい、という感じで精進料理を語るところが微塵もない。心から精進料理を楽しみ、野菜を慈しみ、季節を待ち侘び味わっているのが伝わり感動する。手術で心臓が2/3壊死し、空気の綺麗な長野の村で余生を過ごすことを決意。 自ら野菜を育て、幼少期の禅寺で培った飾らない的を得た精進料理に仕立て写真と文章で解説してくれる。年をとるってこんなに想像的で自由なんだと思えました

2021/09/16

水無月十六(ニール・フィレル)

作家の水上勉が、隠侍として東福寺にいたころに教えられた精進料理を、写真とともに紹介した本。具体的な料理本とは言えないが、精進料理を寺の仕事の話などを交えながら簡単な作り方とともに紹介している。著者自身が、心臓の3分の2を患ってしまい、その後療養生活を経て山中に家を建て、畑に育った野菜を収穫して精進料理を振る舞う話などは興味深く、将来はこういう暮らしをしたいななどと思ってしまった。淡々とした文体だが、写真も相まって自然とお腹がすいてくる。

2016/07/31

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