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シモーヌ・ヴェイユ

シモーヌ・ヴェイユ

シモーヌ・ヴェイユ

作家
冨原眞弓
出版社
岩波書店
発売日
2002-12-18
ISBN
9784000233743
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シモーヌ・ヴェイユ / 感想・レビュー

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さえきかずひこ

鬼気迫るまで純粋さを渇望し続け、若くして燃え尽きた思索家ヴェイユの思想と生涯を追う、凛とした礎石のような評伝。極めて聡明であり、一徹した思想への意志を持ち、とことん潔癖であり孤独であるからこそ、人の世を真に俯瞰し得たが、それゆえ苦渋と屈辱と悔悟との縁が切れなかった。そこに、類稀なる生きにくさを武器にした〝天使なんかじゃない“彼女のすがたを見てしまうのはぼくだけだろうか。批評対象の心に寄り添いつつも、安易な共感を一切示さず、硬質な文体でヴェイユに伴走する著者の文体の強度もふくめて、高く評価すべき作品である。

2018/03/26

白義

静けさと激しさが同居した孤高の思索家 それが本書を読んでのヴェイユのイメージだろうか。弱く、不幸な者への純粋な眼差し、身体的世界把握や共感をベースにした労働の省察、神学から他者を根こぎにする現代政治と社会の分析…ヴェイユの伝記と思想はこの一冊で概観できる アレントにも影響を与えたであろうこの孤高の思想家の、再評価が望まれる 日本のヴェイユ研究のスタンダード

2011/01/01

えんさん(연싼)@読書メーター

退職する先生から貰った1冊。恥ずかしながら、この本に出会うまでシモーヌ・ヴェイユの存在を知らかった。 知識人でありながら、労働者との連帯のため自ら工場労働者となり、疲労の中で綴られる思考過程はこれまで出会った/読んだ知識人とは違っていた。 常に現場に身を置いてそこで考え、文章にしていくという作業をヴェイユは34年間という短い生涯のなかで実践していた。現場へ足を運び、そこで見聞きしたことを纏め、自分のことばを綴った私の修論スタイルだったからこそ、この本を渡されたのかもしれない…。

Shinya Fukuda

今まで読んだ本の中で一番難解だったと思う。殆ど理解出来なかった。それでも読み終わった時点で書けることだけ書いてみようと思う。先ず論考の範囲が極めて広範に及ぶのだ。デカルトとスピノザからの影響が認められる。しかし全面的に支持する訳ではない。どこにも属さないため又集団の短所を知っていた為属する所がなく孤独だった。身体が弱いのに工場で働いたり戦争に参加したりした。客観的に見れば足手纏いであり滑稽だっただろう。一般的な見方では痛い人。解説を読んで自分なりに考えた所、「不幸」の原因を極めたいと考えていた人なのか?

2024/10/12

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