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戦争と罪責

戦争と罪責

戦争と罪責

作家
野田正彰
出版社
岩波書店
発売日
1998-08-07
ISBN
9784000236065
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戦争と罪責 / 感想・レビュー

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はっせー

かなり衝撃的な本だった! この本は野田さんが元日本軍兵士の声を聞いてアジア太平洋戦争で何があったかを分析したものをまとめたものである。戦争だからしょうがない。残虐行為があっても相手も同じようなことをした。そうした一般化した考えではなく相手の顔を想像しないといけないとわかった。この本で傷つくことのできる感情になるためにはまず知ることが大事だと書いてあった。何があったのか。何をしてしまったのか。それをフラットな目で見なければならないと改めて感じた!

2019/11/26

小鈴

「「戦争は人間を残酷にする」とよく言われる。だが、そのような一般化は思考の怠惰である。それぞれの戦争があり、それぞれの軍隊があり、そのシステムのなかで人間は残酷になっていく」(164-165)。本ではアメリカやソ連兵、ドイツ兵士の戦争神経症や虐殺した際の傷つき体験の事例にふれ、それに対して日本兵の傷つき体験が少ないことに触れる。残虐行為をしても「戦争だから」「上からの命令」として気にもとめてなかったが、中国共産党の方針による寛大措置で反省を促されるなか、感情を取り戻し傷つき反省する過程について紹介する。

2021/02/12

小鈴

「残虐な殺害行為をしたのになぜ傷つかないのか」ひたすら追及するが答えははっきりしない。事例は主に中国戦線の兵士だが、みな鬼籍に入り生きる証人は既にいない。日中戦争という言葉さえ覚束無い我々はまた同じ事を繰り返すだろう。傷つかないのならまた同じことをやる。ここに書かれた殺害行為は伝承されず風化している。戦争は被害体験が継承され加害体験は忘却した。しかし、言語化されなかったトラウマが社会に与えた影響は大きい。2020年になっても朝ドラ「エール」の主人公のように気持ちをプッツンして表現することしかできない。

2021/02/12

とんこつ

久しぶりに感想を書くのに窮してしまうほどの衝撃を受けた著作に出会った。精神科医である著者が、日中戦争で従軍した元軍人たちへのインタビューを通し、感情を抑圧する日本の精神構造を分析した一冊。従軍者たちのあまりにも残虐な戦争行為が生々しく描かれていて、読んでいて何度も深くため息をつかずにはいられなかった。著者がここでも指摘している通り、戦時中の精神は戦後を生きる我々にも直に接続されているし、何よりも戦後日本を作ってきた人たちが戦時中の中心人物たちであることを忘れてはいけない。

2018/09/05

金吾

精神科医である著者が戦時中残虐行為等を実施した戦争従事者への取材をまとめた本です。精神科医らしく罪を認識していない状態からの復帰を解説している部分は興味深かったです。

2020/04/11

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