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戦後腹ぺこ時代のシャッター音: 岩波写真文庫再発見

戦後腹ぺこ時代のシャッター音: 岩波写真文庫再発見

戦後腹ぺこ時代のシャッター音: 岩波写真文庫再発見

作家
赤瀬川原平
出版社
岩波書店
発売日
2007-09-27
ISBN
9784000236713
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戦後腹ぺこ時代のシャッター音: 岩波写真文庫再発見 / 感想・レビュー

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壱萬参仟縁

昭和の良き時代を映す。野球好きな国民性は、剣道の間があることに通じるようだ。また、119頁の電話交換手の写真はおふくろの仕事だったので、これも時代を感じさせた。121頁には黒電話がある。懐かしいが、今ではそうした懐かしさを感じられない世代も増えてきている。アラフォーのおじんが多少、昭和時代を懐かしめる本。

2014/04/17

白義

岩波写真文庫という好事家くらいしか知らなそうな忘れられたレーベルから好きな巻を赤瀬川原平がのんびり解説。戦後初期という時代の空気をたっぷり吸った味のあるモノクロ写真を背景に日本が腹ペコだった時をゆるく振り返っている。子どもたちみんなのお腹にはまだ蛔虫が住んでいた、という表現がなんとも当時の世界を立ち現させてくれて微笑ましい。「麗しき電気の石器時代」や、糠漬けのように空気が熟成された街パリなど、卓抜した表現が図書に飛び出て、モノクロの世界に色を吹き込んでくれる。時代論としても、写真論としても風味豊かな傑作だ

2015/10/17

阿部義彦

2007年刊。戦後1950年から、岩波写真文庫が始まり、庶民の暮らし、文化、産業、風景などを写真として遺してくれました。その中から赤瀬川原平さんが好きなようにセレクトして独自の視点で解説してくれます。私的には、汽車、石炭等、燃料に関する記述に惹き付けられました。私もぎりぎり小学生位までは煉炭炬燵やあんかでタドンをおこして使っていましたね。そのあとは石油の時代でストーブになりましたが。今は廃墟となった軍艦島の最盛期の団地のような写真など、貴重な物を目にしました。その他、黒電話、馬車、切符改札等など。

2023/03/15

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岩波写真文庫の存在を『失われた昭和』の中で初めて知った。どんなものか興味が湧いてきてこの本に繋がった。カメラ愛好家の芸術家赤瀬川氏に好適なテーマで、氏独特の感性が味わいを加えて大いに楽しめた。実際岩波写真文庫を開いてみると、写真は古いのに中身は斬新で新鮮だ。また、文章は的確で無駄がない。当時の岩波書店編集部の教養の高さが分かる。

2017/11/07

がんぞ

百円は絶妙な値付け、1テーマについて掘り下げた考察が百枚以上の写真の説得力で(白黒だけに注意深く鑑賞せざるを得ない)迫ってくる。当時(創刊は占領時代)の子供は痩せているが純真で頼もしい。『現代芸術』はセンスが良いと思えば岡本太郎が担当。岩波写真文庫創設の被占領時代には特に都会ではオトナも子供も気力がなく用事がないときにはボーッとしていた。腹ペコということは、肉食しないとカロリーもさることながら塩分がなく(『塩分は控えめ』と言われる現在とは逆に)だるかったとか。汗をかく肉体労働が多かったのも忘れてはならない

2016/05/28

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