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ふたつの講演――戦後思想の射程について

ふたつの講演――戦後思想の射程について

ふたつの講演――戦後思想の射程について

作家
加藤典洋
出版社
岩波書店
発売日
2013-01-10
ISBN
9784000246781
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ふたつの講演――戦後思想の射程について / 感想・レビュー

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ころこ

出版当時に購入し、直ぐに途中まで読み、挫折したのを今回は最初から改めて読みました。①「はじめに」で若い批評家に対する応答、②講演「戦後思想」と「戦後民主主義思想」との違い、分かり難さの問題、③鶴見俊輔『アメリカ哲学』の簡単な解説、④2回分の講演3.11以後と戦後で、④は柄谷行人と共闘しているようで、あまり良い内容だとは思いませんでした。ただ批評家の言葉が凄いなと思うのは、ポスコロやカルスタが倫理的な超越項を導入することでマルクス主義の希望が潰えた後のピンチヒッターを務めたと的確に言語化していることです。さ

2021/04/29

壱萬参仟縁

事なかれ主義、秘密主義、無責任、不明朗、くさいものに蓋、がイヤ(ⅹⅷ頁)。秘密保護法では拍車がかかる。確かに鶴見俊輔氏は米国で思想形成し、日本に戻って移入思想を我がものにし、さらに抵抗して現実思想を築くことの違いを体現した。都留重人先生が唯一の師とのこと(8頁)。ポストコロニアリズムとは、植民地主義に対抗して現れた植民地主義への抵抗諸相を一つの思想潮流として見る(33頁)。戦後思想とは、外来思想に学び、既成の知的階梯を上昇しようとすることの、周辺国、後進国の上昇志向の知識人がもつ貧しさへの抵抗(34頁)。

2013/12/05

takao

なぜ、こんなに引用するのか?一度引用なしで思索してみたらいいのではないか。

2020/03/17

v&b

ぼちぼち読みやすく、みじかい。 別に気負うでなく、(手なりで)日本のことを考えるのから世界(≒地球)を考えるほうへ軸足が変わった、という所が印象に残った。言及先によっては、各分野の表現について腰の軽い所があるかもしれない。が、政治や公的な領域においては、ハッタリや処世で世界から考える、と大言壮語するタイプの人間ではないので、滋味ぶかく受け取りたい。だいたいこの手の領域は、なかなか発言しない人が深い考えをもっていることが多い、と自分はみている。

2019/10/21

クリフトン

書名は「ふたつの講演」だけど講演より他の二編がより面白かった 批評ならではの文体や修辞を追うことが心地よい 特に鶴見俊輔氏を引いてプラグマティズムが南北戦争の戦後思想で 欧州思想-特にドイツ観念論-に対し新興国の劣敗観念を払拭する抵抗の気分に溢れているという指摘は成る程と思った ガタガタ言わずにどういう意味でどういう行動をもたらすのかで判断すること 原発事故後の新しい思想とはプラグマティックなものの中にあるのかも知れない 戦後日本が経済第一で来たのもそういうことだったのかなと思った     

2013/03/20

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