モダニズムの惑星――英米文学思想史の修辞学
モダニズムの惑星――英米文学思想史の修辞学 / 感想・レビュー
ハチアカデミー
英米文学史上の作品から鮮やかに時代と思想の深層をすくい上げる。ディモック「ディープタイム」=「時の隔たりを越えた因果律」がキー。マーク・トウェインとテクノロジーを論じる章では、『ディファレンス・エンジン』でお馴染みのバベッジが登場し、彼の発明がフィクションとしてではなく、現実の社会に与えた影響を論じる。オズの魔法使いと神智学、ジャズエイジのロレンス、サブカル(大衆文化)好きのエリオットなどなどとかく刺激的。日本フォークナー受容史もあり。単なる解釈ゲームで終わらせない、モダニズム表象論ともいえる一冊。
2014/11/07
Nobody1
世界発の民主主義国家として、ポストコロニアルを体現したはずのアメリカは、やがて内包する矛盾を露呈し、帝国主義に至るという皮肉な構図を描く。帝国主義へと至る道のりはモンロードクトリンを四回に渡って都合のいいように書き換えていく過程であり、モダニズム文学が辿る道のりとパラレルになる。
2014/08/05
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